HIDA
JIN Round Dining Table
上座も端っこもない。
誰かが中心にいるわけでもなく、みんなが同じ距離で顔を合わせられる。
そんな場所が家の中にひとつあったら、いつものおしゃべりも少し変わってくるのかもしれません。
自然の中にいると、肩の力が抜けていつもより伸び伸びと自分らしくいられる気がします。
今回紹介する飛騨産業「侭」のラウンドダイニングテーブル。
その姿を眺めていると、静かな森の中にぽつんと現れた大きな切り株のようにも見えてきます。
木の温もりを囲む、「侭」のテーブル

飛騨産業の家具を語るときに欠かせないのが、「飛騨」という土地です。
豊かな森林に恵まれた飛騨では、飛鳥時代から「飛騨の匠」と呼ばれる職人たちが木工の技術を培ってきました。
家具づくりの歴史も古く、1920年には未活用だったブナ材を活かすため、地元の有志たちによって曲木家具づくりが始まります。
そこから100年以上。
森から生まれる木を見つめ、その性質を知り、技術を磨きながら家具をつくってきたのが飛騨産業です。

そんな飛騨産業の「侭」は、天板の形やサイズ、材種、脚部の形まで、自分の暮らしに合わせて選べるテーブルシリーズです。
「侭」という言葉には“そのままの状態”“思い通り”“成り行きに任せる”といった意味があります。
自分の思うように組み合わせて、自分の暮らしにちょうどいい一台をつくることができる。
このシリーズにぴったりな名前ですね。
さて、今回はウォールナット無垢材の直径120cmの円形天板を一本脚で支えるシンプルな組み合わせ。
選び方次第でいろいろな表情を見せる「侭」の中でも、素材と形の美しさをまっすぐ楽しめる一台です。

高さは67cm。
一般的なダイニングテーブルより少し低めのこの高さ、実はとっても心地よく使えるサイズなんです。
このテーブルの高さに合わせた椅子に腰を掛けると、足の裏が床にしっかりつく。
「地に足が付いている」というこの感覚が、思っている以上に身体を安定させてくれます。
足元が安定すると体幹も安定するし、感覚にも意識を向けやすくなります。
食事がメインとなる場所では特に、自分の身体を安定させて五感を研ぎ澄ませて食事を全身で楽しみたいですよね。
少し低めの67cmには、そんな身体の安定を感じられる秘密が隠されています。

天板に使われているのは、深いブラウンのウォールナット。
深い色味には落ち着きや締まった印象がありながら、木そのものが持つ温かさもしっかり感じられます。
天板を横切るように流れる木目はそれぞれ表情が違っていて、均一な素材ではないからこその面白さがあります。
眺めていると、ただ「ウォールナットのテーブル」と呼ぶだけではもったいない、その木そのものの個性が見えてくる。
深いブラウンと流れる木目。
そのふたつが作る表情は、静かだけれどちゃんと目を留めたくなる美しさです。

一本脚を近くで見ると、ここにも絶妙なバランスを感じます。
中央の柱は完全な直線ではなく真ん中あたりにほんのり膨らみを持たせた緩やかな曲線のライン。
そしてその太さも絶妙です。
一本脚として頼もしさを感じられるくらいのしっかりとした太さがありながら、必要以上に太くないから、全体の印象はすっきりと洗練されている。
そこにごくわずかな膨らみが加わることで、洗練された印象の中に、ほんのりとしたほっこり感が生れています。
シャープすぎず、かといって素朴すぎない。
その境目を狙ったような、絶妙な造形です。

さらに足元を見ると、4本のベースもまた、細かなところまでつくられています。
中央から四方へ伸びるベースは、脚先へ向かってわずかに細くなりながら、ゆるやかなカーブを描くようなライン。
天板の丸さとも自然につながって見えます。
円形の天板、少し膨らんだ一本の柱、そして緩やかに曲線を描く4本のベース。
ひとつひとつはほんの少しの丸みなのに、全部が揃うとちゃんと柔らかな空気になる。
ウォールナットの深い色が持つ落ち着きと、その柔らかな造形が合わさって、温かさと締まりの丁度いいところに収まっています。

もし私が家に置くなら、このテーブルの周りを植物でいっぱいにしたい。
葉っぱが天板の上にかぶさってくるくらいの大きな木も置いて、まるで森の中に大きな切り株を置いたような場所にする。
川のせせらぎを小さく流して、スマートフォンは少し離れたところへ。
木に囲まれ、木のテーブルに触れながら、ゆっくりご飯を食べる。
自然に身を委ね、思い通りに自分らしく過ごす。
大きな切り株のようなこのテーブルを囲んで、木を感じながら、ありのままの自分でおしゃべりをする。
そんな時間まで含めて、「侭」という名前に繋がってくるのかもしれません。































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