特集:横浜ダニエルで、舶来の世界へ

UPDATE: STAFF:トリス
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閉塞した日本に吹いた西洋の風

人生経験が豊かになっていくにつれて、知らない事は少なくなりまた新鮮味も失われてゆきます。 今まで人々が紡いできた工夫を歴史として知ることに満足はあっても、人は好奇心のある生き物。同じことの繰り返しによって斜陽になる事は少なくありません。 そんな一つの時期に訪れた、新しい風。 日本の人々の目を啓(ひら)いた、素敵な洋家具。横浜ダニエルが今回滅多にない程のボリュームで入荷しています。 歴史を開き、そして今も愛される家具たちを、是非ご覧になっていってください。

Pick up items

横浜ダニエルの始まるきっかけは歴史の教科書にも載る、1854年ペリー提督の横浜上陸まで遡ります。 それまでは半農半漁という他と比べて取り立てるものの無い場所であった「横浜村」は会談の場所となる事でその役割を大きく変え、ひいては長崎や神戸らと並ぶ異国の文化が最初に訪れる港となりました。 鎖国が解け、優れた文明を学ぶために招いた外国人は自国の優れた文化を日本に降ろします。 英国人ゴールドマンが自らの暮らしを続けるため、椅子の修理を横浜の馬具職人に依頼した時にその出来栄えに驚き、椅子にとどまらず様々な家具を手掛ける事に。 そうして異国の玄関口として手掛けられた洋家具はその場所から「横浜元町の家具」として高い評価を得るようになったのです。

Kathy A-550

まずはその切っ掛け繋がりからキャシーシリーズ チェアのご紹介。 ラダーバックのカーブが穏やかな雰囲気の1脚。日本で使う家具のためか座高は40(クッション含み43)センチと抑え目ですがハイバック仕様のため安心して背中を預けられます。 ボタニカルな織り地のシートは底板に密度のあるウレタンが組み合わされ、底付きの無いしっかりした座り心地。 座面は約40×40センチと広めの面積がありますが、先程の座高と相まって深く腰掛けても足がつきやすく、ホッとする収まりが魅力的なチェア。 グラつきの出にくいH型の貫、取り外して張り替えが可能なシート(木ネジ留め)と長く使う工夫も嬉しい1脚です。

Desk A-302

パーソナルな作業には嬉しい片袖のデスク。おおよそ 幅 120 × 奥行き 70センチと、書斎机ながら大きすぎないサイズがグッドです。 片袖と呼ばれる収納は天板・接地面と比べて細身になっているため見た目に安定感があります。 軽やかさを出す目的もあってか右側は挽き物の脚が付けられていますが、グラつきを防ぎ、足や椅子を差し入れやすいよう少し奥目に貫が取り付けられています。 メインドロワーに小物やお菓子を入れたくなる右手のサイドドロワー。左開きの収納部にはスライドトレイが付くなど用途に合わせた細やかさが特別感を引き立てる、素敵なデスクです。

CHEST with Mirror A-104+A-401

こちらはチェストに、専用オプションのミラーが付いた1台。 先程のデスクもそうですが、やはり広い面積が目に入るとその素材の良さがよく分かります。 天板はおおよそ幅 130 × 奥行き 45センチ。緻密で狂いの出にくい樺桜(カバザクラ)の無垢材を丁寧に処理した品のあるフォルム。サイズ分の存在感はもちろんありますが、それ以上に贅沢な気分を毎日味わえます。 たっぷりと姿を映す鏡に、メイク道具を置いてもなお余裕のある広い天面、そして7杯の収納。 鏡が付いた状態でも高さは160センチと抑えられているので圧迫感は少なく、椅子を添えればあなただけのドレッシングチェストとして活躍してくれます。

Wardrobe A-101

元町家具はイギリス人との関わりが発端ではありますが、今回入荷したのはチェアを除いて全てがアーリーアメリカンと呼ばれるシリーズ。 クラシックなエレガンスと虚飾を排した合理性が好まれたアメリカ。ヨーロッパから多くの人々が移植したアメリカ初期を表現しているアーリーアメリカンは、その精神性がシンプルな造形を彫刻のように引き立てています。 横浜ダニエルの高い実力と丁寧さがあってのことですが、生活空間の中にアートのような美しさがあることで、お部屋に風格が出るのは間違いのない所。 収納のポールからの高さは約121センチとロングレングスの衣料もそのまま仕舞いやすく、最下段の引き出しは内寸 幅 95 × 奥行き 43センチと和服をたとう紙のままでも入れやすい。その高い機能性も是非実感して頂きたい1台です。

A-211 Bookcase

先程も説明しましたが、横浜ダニエルで使われているのはカバザクラと呼ばれる狂いの出にくい素材。 基本目に付くところ全てにカバザクラが使用されているという事実も中々に凄い事。 良質な木材で評価の高い北海道は日高山脈から、樹齢約200年という人ひとりでは追いつかない程の時間を過ごしたカバザクラを吟味し、乾燥は複数工程を最後まで自社で手がけます。 中央に走る柱は1本の無垢材。その継ぎ目も滑らかで建築物の柱のように空間に綺麗な線を引きます。 棚板は側面から見ると厚みのある化粧材と芯材に分かれていますが、これは棚板においては避けきれない反りに対する工夫。 無垢のコマを複数個並べて芯に据える事で、1枚板よりも反りにくく設えているのです。 見えない場所でもまるで手抜かりの無い誠実な造りは、思わずため息がでるほど。

China Cabinet A-203

最後を締めくくるのは食器棚ことチャイナキャビネット。ガラス入りの上段収納、開き戸の下段収納で埃から食器類を守ってくれる1台です。 左開きプラス観音開きの3枚扉は豊富な収納力を誇りますが、高さが183.5センチと抑え目なので、存在感に対してとてもコンパクトな印象を受けます。 正面向かって左の腰辺りには、ベロと呼ばれるスライド天板があります。食器の入れ替えをしたい時には意外と置く場所に困ることが多いので、大家族の方、もしくは豊富なコレクションをお持ちの方にも嬉しい仕様になっています。 ちなみに今回入荷したワードローブ、ブックケース、チャイナキャビネットは全て高さが統一。 箱ものと呼ばれる収納の印象が揃うことで生まれる美しさはひとしおです。もしご自宅に余裕のある方はセットでの購入をお勧め致します。

最後に

いかがでしたでしょうか。江戸時代、百花繚乱と呼ばれた日本の文化も世界という視点を得て新しい道を歩むことになりました。 日本古来の丁寧なものづくり、そして洋家具がもたらした異なる価値観による美しさ。この出会いは最初様々な苦難をもたらしたことでしょう。ですがおごらず誠実に、モノそして人に対話をし続けたことで結実したアイテムは、「横浜元町の家具」として愛好されています。 その中でも素晴らしい出来栄えを誇る横浜ダニエル。最高級にふさわしい逸品を、お手頃にお求め頂けるまたとないチャンスとなります。 異国情緒薫る港町の風を。是非ご自宅でお楽しみくださいませ。
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