ROUND TABLES
お引越時の最初に必要になるテーブル選び。その天板の「四角か、丸か」問題は、いつもお客様と私達スタッフの間で議題に上がります。本日は趣向を変え、インテリアデザインにとっての「丸」について独自に考察してみたいと思います。
丸いテーブルが気になるワケ



「家族円満」「丸く収める」「角の立たない」という言葉があるように、図形が持つイメージを言語にした日本語ならではの表現が存在し、日ごろ無意識に使っていたりします。
基本的な形の種類として「丸」「三角」「四角」があり、それぞれの視覚的効果は、逆三角形の「止まれ」の道路標識等、様々なデザインに生かされています。



余談ですが元々1950年道路標識令が全面改正した当時、「止まれ」は八角形でしたが、最初の東京オリンピックで大勢の外国人に対応できるように、見やすさの調査がされた際に、八角形は円形と類似して見えるという結果から逆三角形に変更されたそう。
逆三角形の心理効果には、「危険」「緊張感」「注意を引きやすい」といったナイフのように尖った危険なものと結びつきやすいという本能的な反応があり、それを応用し人の注意を向けるデザインが多く存在します。



円形の場合、三角形とは対照的に「安全で親しみやすい」といったポジティブな印象が強く、脳への刺激も少ない事から、角のある直線構造とのバランスを保つ為に、デザインやアートに取り入れられています。
線の始まりと終わりがなく、途切れる事がない連続性。前後左右が存在せず、故に会議等で参加者が平等な立場で話し合いをする為のテーブルとしては円卓が採用される事も屡々。



建築は余程特別なデザインでない限りは、部屋の構造は壁・床・天井が四角い面を繋げ、その箱の中で人が生活する様に設計されています。建物の構造上、それら面同士の境目は水平垂直の直線構造。その為、そのラインにあわせて正方形ないし長方形の家具は規則正しく並べられます。
一部テーブルや椅子の脚部、照明等、「止まれ」の標識に近い三角形の構図を描き、人の注意を向ける要素が内包されていますが、四角い箱の中にある物の配置では、「丸」の視覚効果は顕著にあらわれます。
日本の国旗「日の丸」の様に、四角の中に丸があれば誰でも丸に目が行くのと同じく、円形テーブルは四角い部屋と対比して緊張を和らげ、空間の中心になります。またそれに椅子の三角効果が組み合わさる事で、お部屋で最初に人の目に留まるのも頷けます。



またテーブルの種類は様々ですが、それらは使われている素材が壁や床の色と明るさが近いか異なるかによっても、空間との統一感と差異の程度は異なります。色を同化させるか、またはコントラストをきかせるかは、丸の効果とは別として重要になってきます。
現在の用賀店のラウンドテーブルとしては、柏木工、アルフレックス、クラッシュゲートと色・素材共に異なる個性のバリエーションがあり、オーク材、スチール、石材と醸し出す素材感も様々です。

形の持つ視覚的効果について、少し難しいお話になりましたが、いかがでしたでしょうか?
「四角いテーブルは部屋の直線構造と同化し、丸いテーブルは印象を和らげ注目させる。」その事を意識するだけでも、テーブルの形や配置、コーディネートはスムーズになるかもしれません。その他家具選びやコーディネートのご相談は店舗スタッフにご相談下さいませ!











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