松本民芸家具
食器棚
歴史の重みと深みを感じさせる松本民芸家具。
この独特の力強さは民衆的工藝の情熱により沸き起こるものでした。
日本が誇る色褪せない名作。
年月を重ねるほどに深みを増し、暮らしに長く寄り添う名作のご紹介です。
民衆的工藝の情熱
>>この商品の詳細を確認する
華美な装飾を施した観賞用の作品が主流だった1920年代の工芸界。
それにより失われかけた日本各地の「手仕事」の文化。
そんな時代の流れにも屈さず一度は廃れてしまった民藝を情熱と技術で再築し、数々の名家具を生み出してきた日本屈指の家具メーカーが松本民芸家具でした。
その工房は年月を重ねるほどに深みを増し、丈夫で耐久性に優れた家具を作り続けています。
誕生のきっかけは大正時代の末。
松本民芸家具の舞台である長野県松本にまで影響を及ぼした戦争でした。
創始者である池田三四郎はこれからの日本の暮らしに必要とされるであろう洋家具の生産を推奨。
これにより家具生産の継続が不可能な状態にまでに追い込まれた松本の復興を果たそうとします。
無名の名工を集め家具作りをスタートした松本民芸家具。
洋家具の知識すらない頑固な和家具職人と共に様々な洋家具を研究し忠実に習作。失敗を繰り返しながら着実に完成度を高めていきました。
この職人たちの血のにじむ努力こそが日本の伝統技術を守り、多くの名家具を生み出すことになる松本民芸家具の礎でした。
こうして誕生した松本民芸家具は50年前と変わらぬ情熱で、今日まで作り続けられています。
今回入荷したのは面取食器棚 G-1型。
ずっしりと存在感ある佇まいが松本民芸の歴史を十分に感じさせます。
上部は棚板を備えたガラス戸。
下部は抽斗と開き戸収納により多用途に収納を行えます。
使う毎に風合いを増す、民芸家具のルーツとも言える名作です。
印象的な杢目を持つ主材も松本民芸家具の特徴のひとつ。
虎の紋様のような杢目が特長のミズメザクラは狂いにくく硬いことでも知られています。
故に加工の難しい材料でもあります。
これを美しい家具に変えることが出来るのが松本民芸家具。
高度な技術を要する加工法により組み上げられ、一切の妥協を許さない丁寧な仕上により完成させられます。
座面の裏に彫られた、職人の「長く使ってほしい」という想いと「仕事に責任を持つ」という誓いの証。
生活の為のデザインは民藝と呼ばれ、先人たちの努力と情熱そのままに残っています。
受け継がれるものづくりの素晴らしさ。
美しい名品のご紹介でした。