松本民芸家具 D型 整理箪笥

1944年、長野県松本市にて木製格納庫の製造会社として設立し、戦後は東京を中心に復興住宅と建具の製造を行った"中央構材工業"。 京都府相国寺にて開催された日本民芸協会全国大会に出席した同社の設立者の1人、池田三四郎氏は民芸運動の先駆者である柳宗悦氏の講演に心を動かされ、民芸の道に進むことを決意しました。 そして1948年、高度な和家具の製造技術を持つ松本市の木工職人達と共に民芸家具の製作に取り掛かり始まったのが"松本民芸家具"です。 本日は、英国家具を参考にしながら日本の風土に合わせたものづくりを行う同社より収納家具が入荷しましたのでご紹介いたします。

日常を民芸品と共に

>>この商品の詳細を確認する 今回入荷したのは、D型整理箪笥。一目見ただけでも堅牢さが伝わるどっしりとした佇まいの箪笥です。 直線的で無駄の省かれたデザインですが、抽斗の凸面による陰影が豊かな表情を生み、その対比がただの収納家具にとどまらない華やかさに繋がっています。 主材は国産のミズメザクラ。何年もかけて自然乾燥させるため狂いが出にくく、光沢があり粘りが強いのが特徴です。 ほとんどの松本民芸家具の製品に使われているミズメザクラですが、その堅牢さだけでなく細かく緩急の付いた杢目の中に虎斑模様が垣間見えるなど実は見た目にも見所満載な木材。 また同社独自の塗料を丁寧に8回以上塗り重ねられているため、毎日丁寧に水拭きをしながら使用することで段々と杢目がはっきりと艶やかに変化していきます。 経年変化を楽しめるのは無垢材を使用した家具ならではですが、松本民芸の家具は誠実に向き合えば向き合う程呼応するように馴染んでくるので、庶民の生活に必要とする実用的な品に美しさを見出す日本民芸運動の考えを体現していますね。 抽斗は全7杯。最上段に小さめの抽斗が2杯、中4段は同サイズ、最下段は少し深めといった構成です。お一人でのご使用であれば衣服箪笥として十分な収納が確保出来ます。 高さも約121cmと扱い易く、天板はアクセサリーやネクタイ、鏡などを置く飾り棚としても機能する優れものです。 また和洋折衷な見た目から和室洋室問わずご使用頂けるのも利点の1つ。模様替えや引っ越し好きの方でも永く付き合っていける家具です。 かなり濃厚な色味の松本民芸家具はやはり同じくミズメザクラを使用した家具と併せてのご使用がおすすめ。 こちらは松本民芸家具の16型スピンドルチェアですが、つるりとした質感や独特の色味はやはり同社ならではです。 松本民芸以外の家具では、例えばオーク材のUKアンティーク家具などと併せると、虎斑模様と重厚な雰囲気がリンクしながら文化の違いを感じられて面白いかも知れません。 本日は松本民芸家具よりＤ型整理箪笥のご紹介でした。 本質に根差し有益であることを目指す松本民芸家具ならではのクオリティを感じられる逸品です。 現代では少し格式高く感じられるようになった民芸品をお部屋に取り入れ、共に日常を送ってみてはいかがでしょうか？