岩谷堂
鳳凰 六尺整理箪笥
遡る事、天明3年(1783年)から岩谷堂箪笥の歴史が紡がれています。
岩谷堂は漆の代表的産地・欅も多く存在する岩手県で生まれました。
職人の手で開発され、研究を重ねてきた結果、長い歴史で培われてきた金具・材木・塗装への造詣の深さから昭和57年に伝統的工芸品へ指定されました。
三尺、三.五尺の整理箪笥が基本的ですが、今回は六尺整理箪笥をご紹介します。
うねりのある欅の木理とそれを活かす艶やかな拭漆

最も岩谷堂を特長付けるのが欅材。
数年の年月で自然乾燥させた上質な欅材を使用している為、制作後の狂いや割れが減ります。
高級な箪笥で見られる、抽斗を開閉する際の密閉感がしっかりとあります。

印象深い欅の明快な杢目。うねりある美しい魅力を際立たせる漆塗りで仕上げています。
乾燥には湿度が高い事、屋外が無風である事が条件。とても手間の掛かる作業工程ですが耐久性を持たせる目的もあります。
近年では様々な色合いの漆も人気があるそうですが今回は木枠との色合いのコントラストがユニークなテイストです。


岩谷堂たらしめる要素に欠かせないのが重厚な南部鉄器。
龍や花鳥、牡丹などの縁起物が多く存在する中、今回は鳳凰紋様の金具で着飾っています。
迫力のある鳳凰や、羽をあしらえた金具などにより華やかな様が伺えます。

内部に使用されている桐材の代表成分には防腐・防虫・抗菌効果があります。
天然木材ですので防虫剤を併用すると尚良く、高い密閉性で衣類をしっかり守ることが出来ます。

研鑽された技術による美しさ・実用性をディテールまで追求した伝統工芸品である岩谷堂箪笥。
今回の六尺整理箪笥は特に欅の杢目がはっきりと見え、漢字の由来通りに力強さを感じ、お部屋の中でも目を惹く一品。
着物等の衣類収納でもある事から高い品格を求められるという点でも、襟を正したくなる風合いです。











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