岩谷堂箪笥
三・五リビング 整理箪笥
みちのくを代表する伝統工芸品。
岩谷堂箪笥の起源は、1100年代までさかのぼります。
その後、何百年もかけて仕様やデザインが刷新。
進化を遂げながらも伝統的な造形美からは逸脱せず、培ってきた技術を現代まで繋いできました。
今回は、そんな岩谷堂が誇る作品をご紹介致します。
みちのく伝統。
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岩手の伝統民芸家具”岩谷堂箪笥”の 『 三・五リビング 整理箪笥 』です。
この実直かつ堅牢な佇まい。
木地作りは、箪笥作りの「生命」ともいわれ、いまだに一人の職人の手作業だけで、重厚な形状を作り上げていきます。
岩谷堂箪笥に使われている材科は欅、杉、栗、桐などで、なかでも最も岩谷堂箪笥を特徴づけている物が欅です。
頑丈で摩耗に強い欅材。
寝かす、雨風にさらす、寝かすという工程を繰り返し、年月をかけて丈夫にするそう。
この気の遠くなる作業は、欅のアクを抜かし、狂いや割れを減少させるもの。
年月を掛けて十分乾燥させてから箪笥へと組み立てることで耐久性が抜群に上がります。
桐の無垢材が内部に使用され、狂いの無い密閉性を実現しています。
岩手県は古くから日本を代表する漆の産地。
平泉文化を華麗に装飾した漆塗装の技術が岩谷堂にも生きています。
こちらの漆塗りには、拭き漆塗りという技法。
塗っては拭き、塗っては研くという工程を何度も繰り返します。
保たれる永年の木目の美しさ、そして独特な風合い。
外観が美しくなることはもちろん、耐久性も非常に優れたものになります。
岩谷堂箪笥の大きな特徴の一つは飾り金具にあります。
この金具には伝統技法による鏨(たがね)を使い、手彫りでつくる「手打ち金具」と南部鉄の技法を用いる「南部鉄器金具(鋳物金具)」の2種類があります。
こちらは、南部鉄器金具を用いたもの。
800年の歴史を誇り、平安時代末期に藤原清衡が近江の国から鋳物氏を招いて鋳造をはじめたのが起源といわれています。
デザインが決まると鋳型の中に溶かした鉄を注入。
冷えるのを待って取りだし、着色、仕上げるそう。
そのほとんどの行程作業が熟練を要求される仕事です。
なめらかで頑強な木地の上にはめ込まれた南部鉄金具の精巧かつ重厚な風合い。
美術的価値もさることながら、用と美の極地を追求した岩谷堂箪笥ならではの伝統の証と言えるでしょう。
堅牢さと重厚さの中にも、華麗な繊細さを秘めた岩谷堂箪笥。
それは現代の住空間の中でも、強烈な存在感を保っています。
一人の職人が木取りから一貫して行う木地造り。
800年とも言われる歴史を誇る南部鉄の金具。
深くやわらかな漆の光沢。
和洋のどんな空間の中でも、不思議な調和が生まれるのも、これら全ての工程に本物の技と心が息づいているからではないでしょうか。