天童木工
低座椅子
1940年、山形県天童市にて創業した日本屈指の家具メーカー『 天童木工 』。
今回は、柳宗理や剣持勇、水之江忠臣らと共に日本のデザイン界を牽引した重鎮の一人である『 長大作 / Daisaku Cho 』の名作 、『 低座椅子 』 のご紹介です!
低座椅子の名作。
1947年、Le Corbusier(ル・コルビュジエ)に師事した日本のモダニズム建築の第一人者であった坂倉準三の建築研究所に入所した長大作。
こちらの『低座椅子』は、坂倉準三が歌舞伎役者の八代目松本幸四郎の邸宅を設計した際、坂倉準三建築研究所の所員であった長大作により、1960年に誕生しました。
今では天童木工のアイコンとして知られる名作チェアです。
緩やかに弧を描く座面と背もたれによって生まれる包み込まれるような座り心地は、「畳に座ってくつろぐ」という日本人の昔からの生活様式や感覚に寄り添ったものになっています☻
また、座面の後部にはやや傾斜がついており、厚みのあるクッションが身体を受け止めてくれるため腰に負担をかけずに座れたりと、年代や性別を問わず日本人の体にフィットする設計◎
広々とした座面に座面高29cmという若干の高さが加わることで、畳にじかに座った時よりも立ち上がりやすいという実用的な造り。足を伸ばしたり胡坐(あぐら)をかいたりと、使う人の一番リラックスできる体勢で座れるのも魅力的です◎
床に近いからこその安心感や安定感を感じられ、尚且つ座面が低いことで床座の人と同じ目線になれるので、心地よい距離で会話ができるのも嬉しいポイントですね!
脚部はソリのような形をしていることで畳や絨毯が傷まないように工夫されていたりと、座り心地だけでなく細部へのこだわりも感じられる逸品です。
フレームには「木の宝石」の異名を持つ世界三大銘木のひとつチーク材を使用しておりますが、なんと発売当初はクルミ材、その後まもなくチーク材を用いた仕様に。現行のナラ材に変更されたのは1970年代だそうです。
2020年の天童木工創立80周年の際には、クルミ材とチーク材が特別モデルとして期間限定販売されるほど、チーク材を使用したものは希少と言えるのではないでしょうか!当時の旧ロゴも綺麗に座面裏に☻
ファブリックも専門業者に依頼し張替え済みなので、今後も気持ちよくお使いいただけるコンディションになっています◎
和洋を問わず暮らしに溶け込むジャパニーズモダンを体現したかのようなデザインは、居住空間での使用はもちろん、旅館やホテル、近年ではカフェやオフィスなど様々な空間を演出するアイテムとなっています。
ぽってりとした温かみのある有機的なフォルムは、日本家屋の趣きある空間はもちろん、ナチュラルスタイルや北欧スタイルなど、幅広いインテリアテイストにマッチしてくれそうです⚘.゚
いかがでしたか?
「和室での暮らしに溶け込み、ゆったりくつろげるイスが欲しい。」という要望から生まれた一脚。
細部までこだわりぬいた設計から生まれる端正な美しさは、時代が移り変わっても懐かしさを感じられます。
まるっとしていて可愛らしく、子供から大人までゆったりくつろげる安心感ある座り心地を、是非ご自宅で体感してみて下さい!