天童木工
低座椅子
1940年、木工の街として知られる山形県天童市に設立した家具メーカー「天童木工」。
戦後に入り、世界各国で優れたデザインを持つプロダクトが数多く輩出されたミッドセンチュリー期には柳宗理や剣持勇など様々なデザイナーと共に、バタフライスツールやカブトチェアといった数々の名作を送り出しジャパニーズモダンの礎を築き上げました。
プライウッドを用いた家具作りが世界的にも評価されている天童木工。
今回はそんな天童木工から同じく同時期を代表するデザイナーズプロダクトが入荷いたしましたので、ご紹介いたします。
和の魅力をもう一度
>>この商品の詳細を確認する
1960年に発表された「低座椅子」。
ジャパニーズモダンを代表するデザイナーの一人である長大作によって手掛けられたこちらは、歌舞伎役者である八代目松本幸四郎の邸宅を設計した際に、併せて制作されました。
「和室での暮らしに溶け込み、ゆったりくつろげるイスが欲しい。」という要望に応えるべくデザインされた低座椅子は60年の時を経て、2019年にグッドデザイン賞を受賞しました。
ゆるやかに弧を描くフレームが特徴の一つであり、末広がりのシルエットは安定感と落ち着きが感じられるデザイン。脚部がソリのような形状になっていることで重量を分散させ、和室の畳が傷まないようにしており「和室での暮らし」の要望と使う人への想いが感じられます。
ころんとした座面と背もたれは柿の実を切った断面に着想を得たと言われており、厚みのあるクッションが身体をしっかりと受け止めてくれます。
普段ちゃぶ台で生活している私が実際に座ってみると、床に胡坐をかいて座った時のような安定感があり、それでいて脚や腰が圧迫されることがなくリラックスできる、まさに「和室での暮らしに溶け込み、ゆったりくつろげるイスが欲しい。」という制作時の要望が形になった椅子であることが分かる一脚です。
また、床座に比べて楽な姿勢で立ち上がることができるのも一つの利点と言えます。
チェアとして見ると、座面高は29cmとかなり低め。しかし、ローテーブルに合わせて使うと一般的な座椅子とちゃぶ台のようなバランスになります。
ソファーやチェアからは少し屈まなければいけなかったローテーブルでも、ゆったりと寛いだ姿勢でお食事やティータイムをお楽しみいただけます。
さらに、この高さとアームレスであることが組み合わさり、座った際に座面の上で胡坐をかいたり脚を伸ばしてリラックスしたりと、自由な体勢で座ることができるのも魅力の一つです。
グレーのファブリックと、くっきりとしたオーク材の柾目が美しい仕様のモデル。和室との相性はもちろんのことながら、ナチュラルで明るい印象を活かして北欧スタイルのお部屋など洋風のお部屋にも合わせやすいデザインです。
天板の高さが30cm以上あれば、ローテーブルにも差し込んでおけるため、お部屋のスペースを圧迫することもありません。
使用者の目線に立った細やかな設計と和室での暮らしに対する深い理解によって生まれた一脚。伝統の様式に先進的な成形合板技術でアプローチした「天童木工 低座椅子」は、60年以上経った今でも高い人気を誇る名プロダクトです。
座椅子とチェア両方の特徴を併せ持つデザインが和洋どちらにも調和する、唯一無二の使い心地を実現した低座椅子をこの機会に是非。