Ryuji Mitani
Wooden Vessels
駅へ向かう途中、小さな林の中を流れる小川沿いの小道を歩くのが、毎朝のちょっとした楽しみになっています。
背の高い木や低い木、葉の形も幹の色もさまざまで、同じ木でも種類が違うだけでこんなにも表情が変わるんだな、と足を止めて眺めることがあります。
木には、それぞれが育ってきた時間や個性が刻まれています。
だからこそ、その魅力を暮らしの中で身近に感じられる木の器には、特別な温かさがあるのかもしれません。
今回は、そんな気の個性を存分に味わえる三谷龍二さんの作品をまとめて紹介します。
木の個性を器に映して

家具づくりを中心としていた木工の世界に、普段使いできる木の器という新たな価値を提案した木工デザイナー、三谷龍二さん。
無垢材を一つ一つ丁寧に削り出して生まれる作品は、木そのものの魅力を引き出しながら、手仕事ならではの温もりを感じさせます。
使い込むほどに味わいを深め、日々の暮らしにそっと寄り添ってくれることも、多くの人を惹きつける理由のひとつです。


はじめに紹介するのは、黒漆の特大ボウル。
深みのある黒漆に、ノミ跡が光を柔らかく反射し、何も乗せずに飾るだけでも存在感があります。
黒という色が重たくなりすぎず、うっすらと浮かぶ木目が温かみも感じさせてくれるのが印象的です。
鮮やかな色彩のオブジェや白いレースなどを合わせると、それぞれの色や質感がお互いを引き立て合い、ディスプレイの楽しみがさらに広がりそうです。


対照的に、白漆のリム皿は柔らかく穏やかな表情。
木目が自然に浮かび上がり、白漆の奥から覗く黒漆との重なりが独特の深みを生み出しています。
裏面には下地の黒漆がそのまま活かされており、白と黒のコントラストまで楽しめるのも魅力です。
一枚の器でありながら、表と裏で異なる景色を楽しめる作品です。


山桜の特大ボウルは、温かみのあるオレンジブラウンの色合いが印象的。
ナチュラルな木のアイテムと合わせれば木の温もりをたっぷり感じられますし、少しヘンテコでカラフルな木の人形なんかをそばに置くと、この器の可愛らしさがより引き立ちそうです。


ブラックウォルナットの角バットは、落ち着いたブラウンと柔らかな艶が美しい作品。
文房具や手芸道具、アクセサリーなどをまとめて置くだけでも様になります。
実用品として使いやすい形でありながら、飾っているだけでも上品な雰囲気を演出してくれるのが魅力です。


山桜の長バットは、木目と削り跡が重なり合い、波のような表情がとても美しく感じられます。
明るいブラウンはどんな色味の木の家具とも合わせやすく、小さな鉢植えやお気に入りのオブジェを飾るディスプレイトレイとして使うのも素敵だと思います。


山桜のボウルは、今回紹介する中では少し小ぶりなサイズ感。
その分、より日常の暮らしに取り入れやすい印象です。
レースやお気に入りの小物を飾ったり、その日の気分でディスプレイを変えたりと、さまざまな楽しみ方ができそう。
温かみのある木色も相まって、見ているだけでほっとするような優しい雰囲気です。


最後に紹介する桜材のキャニスターは、おかげさまでSOLD OUTとなりました。
綿棒入れとして使うのに丁度いいサイズ感で、木目は控えめな印象。
シンプルだからこそ場所を選ばず、手芸用品や小物の収納などにも活躍してくれそうな作品です。

今回紹介した作品に共通して感じたのは、手仕事だからこそ生まれる削り跡の心地よさでした。
指先に伝わるわずかな凹凸が、木そのものの温もりをより身近に感じさせてくれます。
黒漆、白漆、山桜、ブラックウォルナット、桜材と、それぞれ異なる表情を持ちながらも、並べてみると不思議と調和するのも三谷さんの作品ならでは。
一点でも十分に魅力がありますが、組み合わせて使うことで、それぞれの個性や木の違いをより楽しんで頂けます。
森の木々を眺めるように、それぞれが持つ表情の違いにも目を向けていただけたら嬉しいです。































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