Ritzwell
IBIZA FORTE Living table by Kamahara Jun
僕たちが島を渡った外の国の雰囲気を見ると慣れないものに違和感や刺激があり、驚かされるものがありますが、逆から見た時に僕たちの持っている美意識はどうみえているのでしょうか。
家具で言うと、1950年代から1960年代に掛けて、日本の美意識「引き算の美学」や伝統的な職人技が世界で注目され始めました。
この時代の家具には、日本の「侘び寂び」や「自然素材を活かす職人技」が活かされた北欧の家具などが多く存在します。
そして今回ご紹介するのは、その美意識のDNAを純粋に受け継いだ、正真正銘の「Made in Japan」の傑作です。
和の美意識


職人の手仕事による一貫した家具づくりを貫くブランド「リッツウェル(Ritzwell)」。イタリアにも拠点を構えるなど、日本のクオリティと美学を世界へ発信し続けています。
表参道のショップでは職人の仕事を間近で見られるスペースを設けるなど、とにかく日本のものづくりを拘り抜いているブランドです。


そんな同ブランドから「イビサフォルテ IBIZA FORTE」リビングテーブルです。手掛けたのは「蒲原潤|Kamahara Jun」氏。
1987年の事務所設立と同年に、名作「Aチェア」を発表してデザインオブザイヤーを受賞。それから一時期プロダクト製作から身を置き、建築意匠やインテリア、色彩計画、橋梁などに従事し、イビサシリーズが始まったのはそれからの事。
2000年を境にした彼のプロダクトは「単体としての造形」から「空間・環境との調和」への変化を遂げ、作品を見ていてもその違いを感じられます。


彫刻的でオブジェのような強い存在感はそのままに色彩計画や環境デザインに関わったことで、人が心地よく感じられる色合いや素材感がそこに加わったように感じられます。
そしてそこに和のエッセンスも加わり出来上がったこちらのテーブル。神社仏閣の屋根に見られる「 反り腰 」をデザインに取り入れた天板。
一般的な船底面加工とは一線を画し、天板自体が器の様に反り上がることでより立体的に。1つのテーブルであってもその造形からオブジェの様な優美さが溢れており、同氏らしい存在感のあるプロダクト。
また、端に向かって薄くなっていく事で、軽やかさが生まれ、側面の優美なカーブからは日本特有の美しさを感じられます。
ものを単体で見た時にも美しさを存分に感じられますが、一番魅力を発揮するのは光の当たった時。平たんではなく、僅かな凹凸がある立体的な造形はそのものを映した影も美しく、光の当て方次第で豊かな表情をご堪能頂けます。


リッツウェルらしい天然無垢の木を使用した1台。そうです、これも国内の熟練の家具職人が一枚一枚丁寧に造り出しています。
材に使用されたウォールナットの杢目は日本の洗練された美しさと落ち着いた雰囲気を表すなら持ってこいの素材。この滑らかな曲線と天面に映る迫力のある木目は個体差があり、それはこの一台でしか味わえない持ち味です。
ローテーブルは普段見下ろすことが多い家具だからこそ、この魅力を存分に味わっていただけることと思います。


対して脚部はスリムで規則正しく、シンプルな造形。天板の美しい構造をいっそう際立たせてくれます。
またこれは機能的でもあり、着座した際にも脚元がスッキリとしているので、ストレスフリーに過ごせます。補強のための貫には薄手のブランケットなら掛けられそうです。
こんなに細身の脚部ですが、天板を揺らしてもびくともせず、強度にも何の心配もありません。細身で繊細ながら強度があるのも日本の家屋っぽくて親近感を覚えます。

巨大な建築や構造物のスケールをくぐり抜けた蒲原氏の造形美は、空間にすっと馴染み、お部屋に取り入れやすい「空間のパーツ」へと昇華されました。
普段僕たちが意識していないけれど心の中にある美意識はものにして作り出してみると、改めてその美しさに魅了されます。































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