Poul Kjærholm
2006 Exhibition Poster
最近は面白いアート作品の入荷が続いているインプションです。
お家に飾る楽しみはもちろんですが、良いものが入荷すれば売る方も楽しいのがアートの良い所。
今日は手軽に取り入れられ、最も身近なアートである“ポスター”のご紹介です。
ちょっとこれカッコ良すぎませんかね。
継承された『Less is more』
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なにやら鋭利なオブジェに視線を奪われるパワフルな構図。
強烈なイメージと一緒に目に飛び込んでくるテキストによって、家具好きの方はこれが何なのか一瞬で理解することでしょう。
こちらは2006年にデンマークのルイジアナ美術館で開催された、家具デザイナー“ポール・ケアホルム Poul Kjærholm”の展覧会用の告知ポスターです。
図録はまだ中古で手に入りそうですが、ポスターはスーパーレアなはず。
建築に強い関心があったケアホルムは、建築資材としては一般的ながら、当時家具に用いられることはまだ少なかったスチール素材を、アーティスティックな感性で家具作りに活かした作風で知られています。
スチールにも木や革と同じく、天然の繊細さがあるはずだと感じたケアホルムは、生涯を通してスチールの可能性を押し広げるデザインを追求しました。
さて、ポスターの構図に戻りますが、このオブジェの様なものは“PK91”折り畳みスツールを横から見た図となります。
代表的なラウンジチェアであるPK22やPK25から比べると、ややマニアックなチョイスと思われるPK91。そこがまたグッとくるポイントでもあります。
実際、ケアホルムの作風を一言ならぬ一目で語るデザインと評価されて、PK91がポスターに採用されたのだと思います。
『Less is more』とはケアホルムに大きな影響を与えた建築家ミース・ファン・デル・ローエの言葉ですが、まさに削ぎ落とされたことで浮かび上がる美しさを持つPK91は、アイコンとして完璧だったのでしょう。
51歳という若さで夭折された天才デザイナー。
あまり大きな声では言えませんが、巨匠と言われるデザイナーの作品でも「これはちょっとな…」と思ってしまうものも正直ありますが、ケアホルム作品はどれも一貫したビジョンがあり、それは生涯ブレなかったのでしょう。もっと作品を見てみたかったデザイナーの1人です。
ジャズの名盤のような、デカいテキストの構図もまたクールなデザイン。センスの詰まった一枚をお気に入りのスペースに迎えてみてはいかがでしょうか。