フレデリシア FREDERICIA model 2209 3シーターソファ 3人掛け W185cm 本革 ブラウン系レザー ボーエ・モーエンセン デンマーク 北欧ビンテージ ~ 深いブラウンが連れてきた、あの日の記憶

UPDATE: STAFF:MIYU
フレデリシア FREDERICIA model 2209 3シーターソファ 3人掛け W185cm 本革 ブラウン系レザー ボーエ・モーエンセン デンマーク 北欧ビンテージ ~ 深いブラウンが連れてきた、あの日の記憶

フレデリシア FREDERICIA model 2209 3シーターソファ 3人掛け W185cm 本革 ブラウン系レザー ボーエ・モーエンセン デンマーク 北欧ビンテージ ~ 深いブラウンが連れてきた、あの日の記憶

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FREDERICIA
model 2209

このソファを見た瞬間、なぜか学生の頃に訪れたウィーンでの記憶が一気に蘇ってきました。
クリスマスの時期、雪の降る夜に訪れたザッハトルテ発祥のお店。
温かな光に包まれた店内で、小さなラウンドテーブルを友人4人で囲み、紅茶と一緒に食べたザッハトルテは、つやつやとしたチョコレートで覆われ、フォークを入れると中からあんずのジャムがきらりと覗いていました。
そんな記憶が鮮明に浮かんできたのは、このソファの深いブラウンのレザーや、パイピングによってわずかに丸みを帯びた端正なフォルム、そしてチョコレートの間から覗くあんずジャムのような色の木脚が、あのザッハトルテと重なって見えたから。
さらに、ゆるやかにカーブしたアームにはどこかピアノのシルエットのような面影もあり、ウィーンで演奏したあの時間まで思い出させてくれる。
家具を見て、何年も前に経験したたった数日間の記憶がこんなにも鮮やかに蘇ることがあるんだ、と自分でも少し驚きました。

受け継がれた思想と、時代を越える美しさ

1963年にデンマーク・モダンデザインを代表するデザイナー、ボーエ・エーモンセンによってデザインされたこのソファには、彼が大切にしていた「人が主役になる家具」という考え方がよく表れています。
家具そのものが強く主張するのではなく、そこに座る人のための余白をつくること。
シンプルで機能的で、必要以上に飾らないこと。
そして、自然な素材と確かなつくりによって、世代を超えて使い続けられるものにすること。
このソファの直線を基調とした佇まいを見ていると、ただ「シンプルなソファ」というだけではないことが分かります。
革の艶やパイピング、木脚、ゆるやかにカーブしたアームなど、細部にはきちんと美しさとこだわりがある。
それなのに、どこにも過剰な主張がなく、家具そのものが前に出すぎない。
しっかりとした存在感を持ちながら、そこに座る人やその人が過ごす時間を引き立ててくれる。
そんなところに彼の考える「人が主役になる家具」の美しさが表れているように感じます。

そし、このソファを生み出したフレデリシアは、1911年創業。
100年以上にわたりデンマークのクラフトマンシップを大切にしてきた、家族経営のデザインカンパニーです。
1955年には、当時フレデリシアのCEOを務めていたアンドレアス・グラヴァーセンとボーエ・モーエンセンが出会い、お互いの信頼の中で、高品質な家具造りの伝統とモダニズムの思想を結び付けていきました。
そこからナナ・ディッツェルやハンスJ.ウェグナー、そして現代のデザイナーたちへと、その時代の新しい感性を受け入れながら歩みを続けています。
けれど、ただ新しいものを取り入れてきたわけではない。
創業以来大切にしてきた素材への誠実さやクラフトマンシップ、人が使うことを中心に考える姿勢を守りながら、その時代に合わせて形を変えてきました。
100年以上前から続くものを受け継ぎながら、決して過去にとどまらない。
その姿勢には、老舗ブランドだからこその強さとものづくりへのゆるぎない敬意を感じるとともに、私自身もそんなふうに歩んでいきたい思わせてくれる、深い尊敬の念が湧いてきます。

フレデリシアについて調べていてもうひとつ心に残ったのが、デザイナーとの関係です。
長きにわたる関係を、深い相互信頼に基づくパートナーシップとして大切にしているということ。
これは、ただ有名なデザイナーの作品をつくってきた、という話ではないのだと思います。
一緒に考え、一緒につくり、お互いの持っているものを引き出しながら、少しずつブランドそのものを育ててきた。
その積み重ねが、デザインの誠実さや素材への知識、クラフトマンシップといった、今のフレデリシアを形づくっているのだと思います。
家族経営を3代にわたって続けながら、これだけ多くのデザイナーと真摯に仕事をしてきたことにも、長く愛されるものを作り続けてきたブランドの強さを感じます。

改めて眺めてみると、アームと背もたれには緩やかなカーブがあるものの、それ以外はほとんど直線。
厚みを抑えたシートや背もたれ、すっと伸びる木脚によって、全体にはかなりクールな印象があります。
それなのに、革には程よい艶があり、パイピングが角をほんの少し柔らかく見せている。
だから、シャープな佇まいの中にも、どこか心地よい暖かさを感じます。
しっかりと形を整えながら、革や木といった生きた素材の美しさを存分に活かしている。
この潔さと柔らかさのバランスが、心地よいバランスを生んでいます。

実際に座ってみると、見た目からは想像していなかった心地よさに驚きます。
スタッフの間でも評判になるほど座り心地が良いのですが、最初に身体を預けたときはフェザーならではの柔らかな感触がふわっと伝わってきます。
それなのに、深く沈み込んでしまう感じはありません。
クッション自体の厚みが抑えられていることに加えて、背もたれの角度も立ちすぎず寝かせすぎずの絶妙なところに収まっています。
ゆったり身体を預けられるのに、姿勢が崩れすぎない。
柔らかいのに、ちゃんと支えてくれる。
見た目の端正さと、座ったときの心地よさ。
その両方がきちんと両立しているところにも、ものづくりの丁寧さを感じます。

さらに好きなのが、このソファの「余白」です。
3シーターなので決して小さな家具ではありませんが、全体の厚みを抑え、木脚を見せることで視線が床まで抜けていきます。
だから大きさの割に圧迫感が少なく、お部屋に置いても軽やか。
直線を基調としたシャープなフォルムも相まって、部屋全体をすっきり見せてくれそうです。
それでいて、ブラウンの本革にはしっかりと存在感がある。
大きな家具なのに空間を占領しない、その絶妙なバランスがこのソファの魅力なのだと思います。

1911年の創業から、115年。
長い時間の中で受け継がれてきたものを守りながら、時代とともに新しい感性を受け入れ続けてきたフレデリシア。
その家具を見ていると、家具の魅力は、ただ美しい形にあるだけではないのだと感じます。
このソファも、形や素材はとてもシンプルなのに、その姿を一目見ただけでウィーンのキラキラとした雪の夜や、温かな店内で友人と囲んだテーブル、艶やかなザッハトルテ、チョコレートと紅茶の甘い香り、そして素敵な空間で演奏した音楽まで、一気に記憶が溢れてきました。
家具には、ときに私たちが想像している以上の力があるのかもしれません。
ただそこに置かれているだけなのに、形や素材の美しさを入り口にして、自分の中に眠っていた景色や感情まで呼び起こしてくれる。
そんな不思議な力を感じます。

深いブラウンの革に少しずつ艶が増し、木脚にも時間が刻まれていく。
誰かと並んでおしゃべりをしたり、ひとりで音楽を聴いたり、窓の外を眺めながら何もせず過ごしたり。
このソファと過ごす他愛もない時間が、自分の気持ちや目に映る景色を少しずつ豊かなものにしてくれる。
何気なく過ごしている日常のひとときを、いつか振り返ったときに、人生の大切な思い出として鮮やかに残してくれるようなソファです。

フレデリシア FREDERICIA model 2209 3シーターソファ 3人掛け W185cm 本革 ブラウン系レザー ボーエ・モーエンセン デンマーク 北欧ビンテージ ~ 深いブラウンが連れてきた、あの日の記憶

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