Fritz Hansen
POT CHAIR
本日は、空間を圧迫しない小ぶりな佇まいのなかに、圧倒的な抱擁を隠した名作椅子" フリッツハンセン / Fritz Hansen "『 ポットチェア / POT CHAIR 』のご紹介♪
平穏のポトフ


『 セブンチェア 』や『 アントチェア 』でお馴染みアルネ・ヤコブセン( Arne Jacobsen )1959年のデザイン。それは名作『エッグチェア』と共に、ヤコブセン自身が一から設計したコペンハーゲン初の高層シティホテル「 ラディソンSASロイヤルホテル ( Radisson Blu Royal Hotel )」のために作られました。
昭和天皇・皇后も滞在した事のある同ホテルは、家具や照明のスイッチ、ドアノブ、カーペット、カトラリーに至るまで、全て彼自身が手掛けましたが、改装工事が幾度となく繰り返され、現在はテレンス・コンランも好んで宿泊する606号室が、当時のまま残されている最後の部屋とされています。


ホテルの名称ともなっているSAS ( Scandinavian Airlines System )は、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの北欧三国が共同で設立した航空会社です。当時、アメリカより観光客を呼び寄せる為、宿泊客がそのまま搭乗手続きを済ませシャトルバスで空港に向かう場所として立案され、既に世界的に名声を得ていたアルネ・ヤコブセンがそのチーフディレクターとして選ばれました。
無機質な高層ビルのデザインに対しても「自然との調和」を意識し、空が映りこむアルミパネルの外装が印象的な20世紀を代表するモダニズム建築として、現在も多くの人々に利用されています。


硬質成形発砲ウレタンの一体成型という当時の最先端技術が可能にし、一過性のトレンドではなく、磨かれ続けてきたタイムレスな名作。2018年に復刻されたポットチェアでは、オリジナルのフォルムを忠実に再現しながら、耐久性と快適性を向上させた新しいポリウレタンフォームへと改良され、負荷のかかりやすいエッジ部分にはグラスファイバーによる補強が施されています。
背もたれからアームへと淀みなく流れ落ちる有機的なラインは、「深鍋」という人類が古くから愛してきた温もりの記憶。それは根源的な安心感を与え、張り詰めた心の糸を一本ずつ解いてくれます。
そしてラウンジチェア特有の「重さ」を排し、すっきりと伸びた4本脚が空間に圧倒的な軽快さをもたらします。床面が多く見えるため、日本のコンパクトな住空間や書斎の片隅にも美しく溶け込みます。


都会の喧騒や、広々としたリビングのなかで、自分だけの「居場所」を見失いそうなとき。深鍋のような丸みを帯びたシェルが、あなたを左右からすっぽりと包み込みます。外界の視線をさり気なく遮り、心身を静かな安息へと引き戻してくれる、小さくても絶対的な安心感の器です。
一日の終わりに、お気に入りの本を携えてこの椅子へ。機能から必然的に導き出された三次元の曲線は、座った瞬間に身体の強張りを美しく受け止め、心地よいグラデーションのように安らぎへと導きます。

あせらずコトコト 時間をかけて
ほどよい加減に くたくた崩れる































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