Fritz Hansen
Super-Elliptical Table
年末年始のお休みの間に感じた事の一つに、生きていく上で感じるストレスに、通勤の占める割合が少なくないという事がありました。
皆出来ればストレスフリーに毎日を過ごしたいもの。色々な事情はあるにせよ、自分がこうされたらイヤだなあという事が起こらないように、マナーを守り公共交通機関を使うわけです。
自分のことだけしか考えないムーブをする輩を見るにつれイライラをため込んでしまう私ですが、逆にスムーズな動きをしている人を見かけると、勝手に嬉しくなってしまいます。おお、同志よ。
この「スムーズ」というポイントを押さえているアイテムは、家具に於いても素敵な魅力を持つものも。今回のご紹介はそんなテーブル。宜しければ最後までお付き合いください。
トラフィックジャム
>>この商品の詳細を確認する
今回はフリッツハンセンからスーパー楕円のBテーブル。
とてもスッキリとした佇まいのダイニングテーブル。テーブルそのものが強い印象を与えてこないのに、どこかうっとりと眺めてしまうような不思議な雰囲気を持っています。
デザイナーの個性が反映されたアイテムの中でテーブルは、椅子や照明、収納家具なんかと比べて数少ない印象です。
実際の使用を考えたときには、テーブルは水平で平滑である事が求められます。そのためエクステンションやエレベーターテーブルのようにギミックの特徴はあっても、人の度肝を抜くようなデザインは難しい傾向にあるからと思われます。
そんな実用的な家具であるテーブル。デザイナーは様々な視点で機能性と美しさを満たすプロダクトを考えます。
例えばエーロ・サーリネンのチューリップテーブルは足元のごちゃごちゃをアルミダイキャストの1本脚で美しく解決しています。
ル コルビジェやノグチ・イサム、ウォーレン・プラットナーたちが天板に採用したのは透過性と強度を持つガラス素材。それによって、美しく力強いベースの美しさを普段から楽しむことが可能になっています。
今回のテーブルはどうでしょうか。ビーチ材のナチュラルな木味が設置する場所に明るい雰囲気をもたらしてくれそうです。
天板の厚みは約2.5センチ、脚部にはクロームメッキ仕様の金属が採用されてとても軽やかな印象を作り出しています。
パーツは比較的薄手のものが多いですが、さすがはフリッツハンセン。デンマークのインテリアを支えるファニチャーメーカーという事もあり、触れたとき使用するときに不安を感じる事はありません。品質の高さを感じてお使い頂けるものが使われています。
そしてテーブルの名称にもなっているスーパー楕円。円でもなく長方形でもなく、そして普通の楕円でもありません。デザイナーと数学者、果ては哲学者まで幅広い経歴を持つ異才、ピート・ヘインによって形にされた図形です。
角が無く柔らかい印象の円、実用的な面積を確保する長方形の良いとこ取りな楕円ですが、鋭角な部分では鈍角部と比べて使いづらいスペースになってしまう事があります。これを解決したのが今回のスーパー楕円。
ラウンド(円)テーブルには一緒に場を囲む人の視界から外れにくいため「仲間外れを作らない」といわれるメリットがありますが、それに加えて囲む人全てがテーブルを「使える」メリットを導き出したのは一歩進んだデザインであると、これは声を大にして言いたいポイントです。
元々はスウェーデンにある環状交差点の通行をスムーズにするために考えられたスーパー楕円。角があると滞り、正円ならば急すぎる流れを解決した形は、テーブルになってもとてもスムーズでした。
脚部の取り外しに工具がいらない優れた可搬性、時代を代表する3人のデザイナーによる共作と他にも語ることが尽きないのですが、それを語らずとも見た目・使い心地安らぎを与えてくれるのは間違いなし。
ビーチ材天板は現在ではお取り扱いが終了している模様。気になる方はどうぞこの機会にご検討くださいませ。