Fritz Hansen
GRAND PRIX CHAIR & SEVEN CHAIR
背、脚、座面というシンプルな構造を持ちながらも、最も複雑とされる家具、椅子。
今まで多くのデザイナーが椅子への挑戦を試みてきました。
家具としての実用面に特化した椅子や、フォルムの美しいデザイン的な椅子。
シンプルながら複雑、という難解な家具は様々な解釈で形にされます。
あるデザイナーは椅子を自身の完璧主義を持って完成させました。
本日紹介させて頂くのは、最も完璧に近い椅子。
心地をもつ美しい造形
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今回ご紹介させて頂くのは歴史的名作として名高いチェア、「グランプリチェア」と「セブンチェア」。
20世紀でもっとも影響力の大きい建築家でありデザイナーとして知られるアルネ・ヤコブセンがデザインを手掛けています。
世界初となる成型合板による背座一体の名作、アントチェアの後に生まれたのがこの2脚。
確立されたスタイルから派生した傑作と呼ばれるチェアです。
背と座が一体となった成型合板のシェル。
脚はすっきりとした華奢なスチールレッグ。
これらのチェアに共通するポイントです。
一見シンプルな構造に触れことで分かる複雑な造形。
それらが使い心地の役割を担っている事に気づかされる瞬間、このデザインの深みを知ることになります。
椅子のアイコン的存在として現在でも愛され続けるセブンチェア。
1955年の発表から70年以上たった今も尚、様々なシーンで見かけることが出来る椅子の傑作です。
製造番号であった「SERIES SEVEN」からその名がついたそうですが、数字の「7」に似ているから等、その由来については諸説あるそう。
ユニークなフォルムとスタッキング機能等、デザイン性と実用性の融合は素晴らしく、販売累計台数は700万を超えるとされています。
独特の造形からなる適度なしなりはアルネ・ヤコブセンらしい緻密な計算によるもの。
見た目からは想像もできない快適な座り心地を持っています。
今回入荷したのは爽やかなカラーリングが目を惹くレモンイエローのアイテム。
セブンチェアの特長でもある軽量さを体現するかのような軽やかなルックスが印象的な一脚です。
セブンチェアやアントチェア同様、9枚の積層合板で構成されたシェルを持つグランプリチェア。
1957年にコペンハーゲンのデンマーク工芸博物館で開催された春の展示会にてフリッツハンセンにより初公開されました。
幅広い背もたれと人のくびれの様な背座一体の座面が美しいグランプリチェア。
元々「3130」と番号で呼ばれていたグランプリチェアは、発表同年にミラノ・トリエンナーレに出品し最高賞であるグランプリを獲得しました。
そうして命名された名高い名作だったのです。
そしてこちらは希少な後期ビンテージの逸品。
発表から数年で廃盤となったこともあり幻の一脚としても知られています。
左右対象や連続を得意とし、完璧主義でも知られるアルネ・ヤコブセン。
デザイン性は勿論、必要なのは使い心地です。
問題はそれらが如何に共存するか。
明快に見えて困難な椅子デザインの課題の答えはアルネ・ヤコブセンが知っていたといっても過言ではありません。
歴史的名作のご紹介でした。
Fritz Hansen GRAND PRIX CHAIR
Fritz Hansen SEVEN CHAIR