Fritz Hansen
Egg chair
久しぶりのEGG入荷。
いつ見ても美しいです・・・。
美しい美しいとは言いますが、美しさってなんでしょう?
広辞苑では『知覚・感覚・情感を刺激して内的快感をひきおこすもの』とされています。
視覚や聴覚からのみではなく、人それぞれが持つ感情によっても『美しさ』は変化するので、この感覚には個人差がありますが、共通しているのはギャップによる落差に人の心は刺激されるのだという事でしょうか。
崖に咲く一輪の花や砂漠に咲くサボテンの花なんかが、より美しく見えるのはまさにこれですね。
ということで、本日はEGGチェアの美しさの根源に迫ります。
美しさの根源
>>この商品の詳細を確認する
『 セブンチェア 』や『 アントチェア 』でお馴染みアルネ・ヤコブセン( Arne Jacobsen )が1958年にデザインしたEGGは、名作『スワンチェア』と共に、ヤコブセン自身が一から設計したコペンハーゲン初の高層シティホテル『ラディソンSASロイヤルホテル』のロビー用に作られたのが始まり。
こちらのホテルは、空が映りこむアルミパネルの外装が印象的な20世紀を代表するモダニズム建築として、現在も多くの人々に利用されています。
半世紀以上経った今尚、北欧デザインを代表するイージーチェアとして人々から愛され続けているこちらのチェアですが、勿論デザインだけで評価がされている訳ではありません。
このユニークなデザインにもしっかりと理由があります。
その名の通り卵型に成型されたエッグチェアは、背もたれとアームが使用者を包み込むように覆い、ホテルという不特定多数の人がいる場所でも視界を遮り、その場所をコンパクトなプライベート空間にしてくれる特徴を持っています。
また、一見なんの機構も持たないチェアに見えますが、側面のレバーを回す事でリクライニングの強弱も可能で、自重による心地良い揺らぎを楽しむ事が出来、見た目からは想像が付かない程の快適な座り心地も実現しております。
有機的で柔らかなシェルに対して、脚部はシャープでスタイリッシュな造り。
脚先に向けて細く伸びる4本のレッグと回転式の支柱は、大きなシェル本体を確りと支え安定感に優れた設計となっています。
ダイナミックなシェルにスタイリッシュな脚部を付けたデザイン性。
チェアの見た目に反した機能性。
そして、無機質な高層ビルのデザインに対して「自然との調和」を意識し丸みを帯びたフォルムの家具を多数配置するというヤコブセンの感性。
優美なデザインから感じる『直接的』な美しさは勿論ですが、こういったデザインに至った背景から感じる『精神的』な美しさも併せて考えることで、人の心は刺激されエッグチェアの持つ美しさがより一層増すのだと思います。
デザイナーズチェアの中でも一際メディアへの露出が多いエッグチェアは、まさに傑作中の傑作です。
ただでさえ圧倒的な存在感を放っているこちらのアイテムですが、今回入荷したものは発色の良いレッド。
お部屋のアイコンとして活躍すること間違いなしの逸品です。