Peter Lovig Nielsen
Vintage Coffee Table
後世まで高い知名度を誇る有名デザイナーがいる一方、儚くも人々の記憶から薄れてしまった隠れた名工たち。それらを分かつものは一体何なのでしょう。
例えば古いロック/ポップスなら、「この転調はぶっ飛びすぎでは…?」とか「これってキー合ってる…?」とか、味がありつつも廃れていった理由もなんとなく分かりますが、こと家具に関しては、有名無名の差はちょっとしたボタンの掛け違い程度だったのかな、と感じます。
それだけ素晴らしいデザインが溢れるビンテージ北欧家具の世界。またしても良い出会いがありました。
ようやく評価が追いついた隠れた名工
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"ピーター・ロヴィグ・ニールセン Peter Lovig Nielsen"がデザインしたコーヒーテーブルです。
この名前にピンとくる方は相当な家具マニアではないでしょうか。1950~60年代に活躍し、端正なデザインを得意としたデンマークのデザイナーです。
自身のブランドである『ロヴィグ・ダンスク・デザイン Lovig dansk design』から販売されていたサイドボードやデスクなどは、いずれも正統派なデンマークデザインといった佇まい。
焼印やロゴシールがないため、同社から販売されたものではないかもしれませんが、こちらはれっきとしたニールセンの作品。
その何よりの証がこちら。支柱に用いられた真鍮パーツはニールセン作品に度々見られる意匠。
くすんで鈍色の光沢を放つ真鍮がチークの良いアクセントになっています。
非常にシンプルなフォルム。
棚板のあるテーブルも素敵ですが、ついつい物を置いてしまって散らかしがちな自分には理想的なスマートさです。
真鍮がもたらすディテールの面白さも個人的はかなり刺さります。
チークの杢目が美しい舟型の天板は、約150cmとローテーブルとしてはワイドなタイプ。三人掛けソファに合わせるのにうってつけと言えます。
写真はウェグナーのデイベッドと合わせていますが、名作にも全く引けを取らないどころか、合わせるアイテムの良さをさらに引き出してくれるような懐の深さが感じられます。
優等生でありながらさり気ない主張が光るコーヒーテーブル。知名度の低さは何の問題にもならないことを体現する一台です。
ちなみにニールセンの作品は、海外のビンテージ市場で近年再評価が進んでいるそう。
良い物がきちんと評価されるのは一家具好きとしても喜ばしいことです。