Herman Miller
DCM

1946年、チャールズ＆レイ・イームズ夫妻によってデザインされたDCMチェア（Dining Chair Metal）は、ミッドセンチュリー・モダンの象徴的な存在として、現在も世界中で愛され続けている名作です。

Herman Miller社によって正規に製造されている現行品は、オリジナルの美しさを忠実に再現しつつ、現代の技術と品質管理によってよりハイクオリティーに昇華しています。
今回は、このDCMの魅力について、実際の使用感も交えながらご紹介します。

名作たる所以

1946年にチャールズ＆レイ・イームズ夫妻がデザインしたDCM（Dining Chair Metal-Legs）は、プライウッドとスチールを組み合わせた画期的なダイニングチェアです。

プライウッドを家具に使用するという発想は当時としては斬新で、既成概念に縛られないイームズの手法は、後のプロダクトデザインに大きな影響を与えました。アメリカのTIME誌から「20世紀最高のデザイン」として評価され、同誌はその魅力を「優雅で、軽やかで、快適」と称賛しています。

DCMのデザインは、無駄のないシンプルさと美しいラインが特徴です。特に杢目が流れるような表情を強調しており、その質感が空間に深みを与えます。とりわけウォールナット仕様のモデルは、木の温かみと金属脚のモダンな印象が絶妙に融合した一脚です。

リビングや書斎だけでなく、オフィスや店舗の什器としても活躍する、時代や場所に左右されない柔軟な佇まいとなっております。流行を超えて愛され続けるその姿勢は、革新的でありながらも「普遍的なデザイン」を象徴していると言えるでしょう。

奥に行くほど低く設計された座面で、背もたれと座面の幅を広めに取ることで、座った際に体をゆったりと預けることができます。特に3次元で成型された合板のカーブは、木材とは思えないほど柔らかく、体に優しくフィットします。

敢えて見せるプライウッドの側面も美しい...。

さらに、ゴム製のマウントが適度な柔軟性を生み出し、座るたびに心地よい感覚を提供してくれます。長時間座っても疲れにくく、快適さが続くのもこのチェアの大きな魅力です。

脚先には、グライズも完備。
フローリングやカーペットの上でも問題なく使用出来るのも気が利きますね。

シンプルでありながら力強いデザインと、抜群の座り心地が魅力のこちら。
長年使い続けるほどに愛着が湧き、空間に静かな存在感を与えてくれます。

ミッドセンチュリーを代表する歴史的名作として、今もなお多くの人々に愛されているその理由は、そのデザイン性と機能性のバランスなのだと改めて感じられました。