Herman Miller
Eames Walnut Stool 412
ミッドセンチュリーを代表するデザイナー チャールズ&レイ・イームズ Charles & Ray Eames による『イームズ ウォールナットスツール Eames Walnut Stool』。
インプションの他店舗にも入荷していますが、用賀店にやって来てくれたのは「412」の型です。本日は名作と呼ばれるにふさわしいイームズ作品の魅力をたっぷりお届けできればと思います。
繋がりから生まれる価値
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本スツールのデザインは1960年にまで遡ります。
1959年、モスクワで開催されたナショナルエキシビジョン。そのアメリカンパビリオン製作の為、イームズはタイム誌を発行するタイムライフ社の社長であるヘンリーに写真協力を求め、その恩返しとしてかの有名な『イームズエグゼクティブチェア』と合わせてデザインされたのがこちらの『イームズウォールナットスツール』です。
なんとも太っ腹な恩返し。人と人・物と物。その「繋がり」から生まれる価値を大切にしたイームズの人柄がよく現れたエピソードではないでしょうか。
アフリカの民族椅子から着想を得た事で「アフリカンスツール」とも呼ばれる本作品。たしかに大きな無垢材をくり貫いた製法、力強い線からそのデザインの源流を伺い知る事ができます。
「スペースを取らない応接室の椅子」のデザイン依頼だったそうですが、イームズの手に掛かるとこうなってしまうのですね。家具の枠をゆうゆうと飛び越えた、芸術作品のような佇まいのスツールができあがりました。
デザイン段階では全8種類の型があったそうですが、製品化されているのは「411・412・413」の3種。
それぞれに良さがありますが、今回入荷の「412」はその中でも少しユニーク。上下から押し寄せた波が中央にたぷんと溜まったような「ふくらみ」を持ったデザインです。他の2型がソリッドでかっこいい印象ならば、412にはそこに少し可愛らしさが加わったような印象です。
デザイン時点では他にどんな型があったのでしょう…気になります!
上下左右対称、普遍的な形状で汎用性の高さもこちらのスツールの魅力。
スツールとして、サイドテーブルとして、ディスプレイ台として。たまにひっくり返してつかったり、はたまた横にして転がしておいたって画になってしまうでしょう。とにかくそこにあるだけで空間に深みを与えてくれるアイテムなのです。
ギュッと詰まったウォールナットの無垢集成材をくり貫いて製作されるため、パーツ毎の境目が歪んできたりすることも無く、その丈夫さは折り紙付き。持ち上げてみればそのずっしり加減から頼もしさを感じ取って頂けるかと思います。
使っていくうちに現れる経年変化もこちらのスツールの魅力。擦れて色が薄くなっていくのを楽しむのも良し、たまにオイルを入れて艶と深みを与えていくのも良し、どっちもアリでございます。一生ものの家具として長くお付き合い頂けるのではないでしょうか。
集成材の繋ぎ目も滑らかなカーブと相まって絶妙なデザインのひとつに。無理やりかもしれませんが、こんなところにも「繋がり」から生まれた価値が隠れていますね。
さてさて、インプションでも滅多に入荷の無い名作中の名作スツールの紹介でした。肌触りも最高なので、手持無沙汰な日にはこれを撫でているだけで1日が過ぎてゆきそうです。是非是非店頭にも撫でにいらしてくださいませ。お待ちしておりますよ。