Herbert E. Gibbs
Draw leaf Table
どこでいつ作られたか分からないそんなアノニマスなところもアンティーク家具の魅力のひとつ。
正体は分からなくても経年が作り出す味わいがたまらなくて、趣きのある佇まいがあるだけで心惹かれてしまうもの。
もちろんそれだけでも十分なのですが、家具がもつ歴史が分かるだけでより愛着が湧くと思うのです。
変化の前の重厚感
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英国らしい落ち着きのあるオーク材に程よい太さのバルボスレッグがあしらわれたジャコビアン様式の1台。
1920年代頃、ロンドンで設立されたHerbert E. Gibbs(ハーバート・E・ギブス)社のダイニングテーブルです。
創業者であり家具職人でもあったギブス。国内用だけでなく輸出用にも製造していたようで、現代にも多くの家具が残されています。
でもそのほとんどがチーク材を使った北欧スタイルの家具。クラシカルデザインはあまり見かけることがありません。
きっと当時の流行をいち早くキャッチし、1950-70年代には製造する家具デザインを一新したのでしょう。
時流に乗ったからこそ今でも多くの人が受け継ぐ家具が生まれたのかもしれませんが、伝統的なデザインから離れる決断は苦渋だったと思います。
それ故、ビンテージ品ではなく、製造から100年以上経ったアンティーク品が多い英国のクラシカル家具。
このテーブルもまた、ミッドセンチュリー期に作られた家具とは異なる黒いプレートが付けられた点からも1940年代までに作られたものと推測できます。
長い歴史がある分、色んなところに傷や汚れなどのダメージが刻まれていますが、ドローリーフ仕様なだけあって実用性は抜群。
約90cm角のスクエア型から左右の天板を引き出すことで120/150cmと2段階のサイズ変更が可能です。
正体明白。それだけで、この家具が作られた時代の背景が想像できる。こんな風に思いを馳せられることこそがアンティーク家具の醍醐味です。
時代の変化とともに使い手の好みや流行りが変わってしまっても、大切に残していきたい伝統的なデザイン。
このテーブルがまとう重厚感には歴史の重みも加わっているのかも?
…なんて言い方をすると歴史を背負わすみたいですが、構えず、気負わず、気軽にアンティークの魅力を楽しんで頂ければ幸いです。