ノル Knoll ミースファンデルローエコレクション Mies van der Rohe Collection MRサイドチェア MR SIDECHAIR カンチレバーチェア カウハイド~完成された椅子~

UPDATE: STAFF:yn5
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Knoll

Mies van der Rohe Collection MR SIDECHAIR

デザイン学生時代、卒業制作でカンティレバーを用いたチェアのデザインを考えていました。しかし、何を試作してもこの椅子の模倣に過ぎないという苦悩に直面していました。

完成されすぎたデザインのため、まさに「この上ない」という言葉が似合う名作のチェアです。

完成された椅子

そもそもカンティレバーとは、建築における片持ち梁構造から発展した技術。建物の一部がまるで空に浮いている様な前衛的なデザインです。

家具においては、椅子やテーブルなどの所謂「脚モノ」の一面を浮かせたようにしたデザイン。椅子となると、深く腰掛けた際に程良いしなりが生じ、安定した座り心地となります。

1920年代にマルト・スタムがデザインしたチェアから始まり、バウハウスでミースファンデルローエ、マルセル・ブロイヤーなどによって進化していきました。

こちらは、ミースによる"MRサイドチェア"。1927年のドイツ・シュトゥットガルトのヴァイセンホーフ展覧会にて発表された椅子です。マルト・スタムのカンティレバーチェアに影響を受けてデザインされたそう。

約100年前に生み出されたものですが、前述したとおり完成されたデザイン。現在でも世界で最も美しいチェアとして名高い名作です。

最も注目すべきは、大きな弧を描いた脚部。この椅子の顔となったそのディティールは、直角に落ちるカンティレバーに比べ、強度的にも優れたものです。

背座のレザーには、カウハイドを用いた仕様。スチールとレザーの組み合わせは、高級感やモダンな印象を演出。

更にレザーのテンションと適度な弾力で安定感も備えています。

パイプとレザーはそれぞれが独立して構成されている点もミソ。背座の裏でコードによって結ばれただけの構造ですが、360度どこから見ても美しいチェアたる所以になっています。

私の一押しポイントは、使用する際にパイプが身体に当たらないことです。

小さなことではありますが、背中にぶつからない、膝裏に当たらないというだけで、ストレスのない使用感になります。

偶然の産物かもしれませんが、背もたれ上部のパイプは、椅子を引き出す時の持ち手にもなってくれます。

「神は細部に宿る」という言葉は彼が提唱したもの。

近代建築の三大巨匠のひとりが作ったこのチェアは、時を経た現在でも一つの手本となっています。

空間の印象を左右するような存在感を楽しめる一脚です。


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