The National Cash Register Co.
US vintage cash register
本日は当時の職人技とお店の活気を今に伝える、ロマン溢れる工業デザイン" ナショナル・キャッシュ・レジスター・カンパニー The National Cash Register Co. "『 USビンテージ キャッシュレジスター 』のご紹介♪
鳴動のオートマタ


真鍮プレートのナンバーを調べてみると、おそらく戦前アメリカで生まれたもの。ネット通信と連動した現代のレジスターとは何もかも異なる、電気を一切使わない「機械式からくり(オートマタ)」の極致です。
その見た目はアメリカらしさ全開でありながら、まるでアフリカの部族芸術を見た時のような言い表せぬ衝撃。単に「インダストリアル」と呼ぶにはあまりにも言葉が軽く、原始美術に近い深淵を感じさせます。


何十年もの酷使に耐えるため、内部には鋳鉄製の歯車がぎっしりと詰まっており、非常に重厚です。右のクランクハンドルを回した瞬間、寸分の狂いもなく噛み合わされた歯車たちが一斉に鳴動し、「チン!!」っと、澄んだ警告音が空間を震わせる。機能美と芸術性が奇跡的なバランスで融合した、歴史の遺産です。
店内に響き渡る大きな音。実は当時、店主や周囲に「今、お金が動いた」ことを知らせるための画期的な不正防止(警報)の役割を兼ねていました。


屈強な男性ふたりで何とか持ち上げられる、頑丈な鉄の重み。それと対照的に現金を収める土台には、投げ込む硬貨の音を抑える柔らかな木製キャッシュドロワーが選ばれています。
固く冷たい鋼鉄の鎧をまとった上半身と、温もりを宿した本物の天然木で設えられた下半身。相反する二つの素材が奇跡的な調和を見せる、立体的な芸術品です。
役目を終えても捨てられる事なく、もう数年でリアルアンティークと呼べるまで歳を重ねた異国のレジスター。黒ずんだ真鍮プレートは鈍い光を放ち、カウンターの上に深い陰影を描き出します。空間のノイズを消し去り、そこを瞬時にクラシックな映画のワンシーンへと変えてしまう、圧倒的な美学を宿した佇まいです。


電気も液晶も存在しない時代、人間と機械が最も美しく繋がっていた頃の異物。ボタンを押し、レバーを引き、ベルが鳴る。その一連のからくり運動は、まるで小さな舞台を観ているかのよう。
現代の電子音には決して真似できない、空間を硬質に震わせる真鍮ベルの音色。音が消えた後も、耳の奥に心地よい静寂の余韻が残り続けます。90年前に作られた機械が、今も変わらぬピュアな音を奏でるという贅沢。持ち主の感性を刺激し続ける、終わりなきロマンがここにあります。


重き静寂 一打の刹那
響く銀鈴 消えゆく余韻































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