Daum
Blue vase
戦中から戦後にかけては『アートなんてものは贅沢だ』という風潮が強くありました。
たしかに、衣食住を差し置いてまで手にすべき物ではないとは思いますが、だからこそ人は憧れ、心が満たされるのだと思います。
簡単に手に入っちゃ満足なんか出来ません。河原の石ころなんか拾っても、心は動きませんよね。
窮屈な時代だからこそ、芸術的な作品を手元に置いて心を癒す事が大事かな。なんて思います。
ということで本日は、その美しさから人々の心を虜にしたフランスの伝説的なガラス工芸ブランド『ドーム/Daum』の芸術的な一品のご紹介です。
Art is the ultimate luxury
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創業者のジャン・ドーム(Jean Daum)から始まり、140年以上もの歴史を持つ『ドーム/Daum』。
エッチング技法を用いて作られた美しい花瓶やランプシェードはエミール・ガレの影響を色濃く受けており、生み出されるアールヌーヴォースタイルの製品の数々は当時から高い評価を得ていたそうです。
この手の作品は、真贋含め中古市場に出回っておりますが、お値段もそれなり。それだけ芸術的価値が高いという事でしょう。
高級クリスタルメーカーとして、今日に至るまでフランス、ロレーヌ地方はナンシーの地で操業を続けている同社。
現在では自社の手掛ける『ドーム・クリエーション工房』の他、森英恵やサルバドール・ダリ、エミリオ・ロバ等の著名なアーティストとのコラボレーション作品も製造する等、芸術を志向するドーム社らしく現代の感覚にマッチする創造性豊かなラインナップが展開されております。
今回入荷した花瓶は、シールから近年製造されたと思われるお品物。
詳細は残念ながら不明ですが、Daumならではの独自の技術によって作られるその造形は他には見られない芸術的な美しさを醸し出しています。
専門職人によって作られる『パート・ド・クリスタル』。
ドームでは古代エジプトで用いられていたこの製作技術をクリスタルで再現しており、おおまかにデッサン彫刻~鋳型取り~クリスタルの溶解冷却~型外しという工程経て作られています。
型から外した後も品質、色彩、形などの検査の後、洗浄と研磨 等更に10 の作業工程が続き、これらの作業は合計23もの工程に分けられます。
この技法で作られるクリスタルは、石膏型から取り出す際に必ず型を壊す為、同じものは2つと存在しません。とてもスペシャルな感じがしますよね。
こちらの花瓶の連続したリーフ模様も、一見カッティングの様に見えますが、よく見ると一つ一つが出っ張っており、凸部分も滑らかで丁寧に処理されていることから、膨大な手間が掛かっている事が分かります。
重ねられた青いガラスと透かし彫りのような装飾の美しさについつい見とれてしまいます。
見れば見るほど、その素晴らしさに気づかされるまさに芸術と言える逸品。
裏面に入る手彫りの『Daum France』サインは、最後まで全てを手作りしたことの証明です。
不思議で華やかな心癒されるドームの世界を堪能してみてはいかがでしょうか?