Tom Dixon
Y Chair
Tom Dixonがかたちにした、新しいY Chair

ところで、Tom Dixonをご存知の方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。
実を言うと、私自身もimptionで働き始めてから知った一人です。
イギリスを拠点に世界的に活躍するプロダクトデザイナーとして知られる彼ですが、実はデザインを専門的に学んできたわけではないんだとか。
なんでも、若い頃はDJをしたり、バンド「Funkapolitan」でベースを弾いたりしながら生活していただそうです。なんともユニークな経歴の持ち主ですね。


そして今回ご紹介するのが、「Y Chair」。
“Yチェア”と聞くと、Hans J. Wegnerの名作チェアを思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、今回のY Chairはそれとは別のもの。
Tom Dixonが2013年に発表したチェアシリーズに付けられた名前で、偶然にも北欧家具の名作と同じ呼び名を持っているのです。
もちろん本人もその存在を意識していたはずですが、自身の研究や試行錯誤の積み重ねを表現する名前として、この「Y Chair」というタイトルがしっくりきていたのかもしれません。


まず目を引くのは、線と面で構成されたようなアーティスティックなフォルム。
本来、人の体を支えるためにはある程度の厚みが必要になるはずですが、実際に計測してみるとシート先端の厚みはわずか約5mmほど。
この極限まで削ぎ落とされた薄さによって、シャープでどこか3Dグラフィックのような印象を生み出しているのです。


そのシェルを支えているのは、アルミダイキャスト製の4本脚を上下からネジで固定したスイベルベース。
パウダーコーティングによって仕上げられた質感もシートとよく馴染み、全体に統一感を与えています。
誰かから与えられた課題を解決するためというよりも、自分が表現したい形のために必要な技術や手法を生み出していく。
そんなTom Dixonらしい一貫した姿勢が、唯一無二の存在感につながっているのかもしれません。

さて、Y Chairいかがだったでしょうか?
なかなか市場に出回りませんが、このスイベルベース仕様となると、中古市場ではほとんど見かけることのない希少な一脚です。
空間の雰囲気をがらりと変えてしまう存在感がありながら、その強い個性も含めて「欲しい」と思わせてくれる。
そんな“かっこよさ”を持った椅子ではないでしょうか。































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