Danish vintage
3 Seater Sofa
最近感じるのは、80~90年代に人気のあったアイテム達のリバイバル。
モダンや、ブルックリンスタイル、スペースエイジなんかのアイテムなんかが現代の価値観とミックスして、新しいピースとして今に生きている。
そんな事を考えていると、今取り上げた流行というのは全てポップなカラーリングと共にあるなとふと思ったのです。
豊富な色がある中で、自分の個性に合わせてチョイスが出来る幸せ。自分の内面にあるエネルギーを代わりに表現してくれるエレメント。
10年以上前は鳴りを潜めていた、ツートンカラーの自動車なんかも、今は新車でよく見かけるようになりましたね。「景気が良くなった!」という実感はありませんが(笑)、苦しみながらも底は乗り越えたのでしょうか。
早く前向きな気持ちで流行を楽しめる、そんな時期が来てくれる事を願っております。
今回のご紹介は、当時の流行を感じさせてくれるビンテージの1台。
宜しければ最後までお付き合い下さい。
効率化の進む先には今がある
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今回ご紹介するのは、北欧ビンテージの3人掛けソファ。
ロンドンで催された、ミッドセンチュリー展に出展されていたアイテムとの事。
製造は1950年代。半世紀をゆうに超えた歴史をもつ家具である事が分かります。
このころの北欧は正に黄金期。
北欧家具の父と呼ばれるコーア・クリントが王立アカデミー家具科の講師に就任したのが1924年。
使う人間のプロポーションを計測しそれをデザインに反映させる現代の「人間工学」、
過去にあった様式を分析し、時代に合っていない要素を修正する「リ・デザイン」。
現在では当たり前となっている概念を発見・定着させ、その血脈を受け継ぐ後進が活躍していた時代です。
今回のソファも、当時の人気スタイルであった事でしょう。
すっきりと水平に広がりのあるシートに、アームの先にはチーク無垢材がアクセントと、つかまりやすい機能を兼ねて備わっています。
淡色の中に、深い色合いの木材がある事で、大人めいた落ち着きが加わっています。
ファブリックは2色。ペールトーンのような淡いブルーと、光加減によっては紫系も感じさせる、淡いブラウンのツートーン。正面は青の印象がスッキリと伝わりますが、背面や側面に回ると切り返しがとてもおしゃれな作りになっている事が分かりますね。
張りぐるみのボタンがある事で、のっぺりとした印象はなく、バランスの良い見た目に仕上がっています。
北欧のデザインで有名なハンス・J・ウェグナーのベアチェア、フィン・ユールのポエトやBO55の影響も感じられます。
当時は憧れのディティールであったと考えると楽しいですね。
恐らくこのソファは、家具工房で製作されたもの。1950年当時であれば大規模な量産体制を持つ企業はごく僅か。
そのため、ソファといった家具は基本注文で、時間を掛けて工房と顧客が相談し、仕様を決める。
職人が時間を掛ける=コストが掛かるという図式から、生産数が限られる立派なソファは高級品。
そのために細かな対応が出来る事が当たり前であったのです。
今回のソファは張り替えが行われている可能性が高いのですが、
自分好みに誂えるにはそれだけの手間が掛かるという事でもあるのですね。
現代は量産品でもコストパフォーマンスの良い時代になってきましたが、ツートーンカラーは嗜好の問題や材料の在庫・回転速度と、シンプルなものより生産が難しいアイテム。
ちょっと違う事が、贅沢な選択である事をこのソファは実感させてくれます。
今から見ると、ちょっと非効率なのかも知れません。それでも、当時に精魂込めて作ったアイテムが半世紀を超えて残っているという一つの事実。
その時間も含めて楽しんで頂ける方におすすめしたいアイテムです。
1点のみの在庫となりますので、気になる方はどうぞこの機会をお見逃しなく。