DUX
Pernilla 69
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する、あの唯一無二で大胆なポージング、ジョジョ立ち。
身体を大きくひねり、反らした姿は、まるで関節一つ一つにまで意思が宿っているかのような強烈な存在感を持っています。
作者の荒木先生は、それをキャラクターの内側にある怒り、情熱、覚悟といった極限の感情が、肉体の隅々にまで行き渡り、そのまま形となって表出したものと説明しています。
ジョジョ立ちには生き物が、自らの存在を最大限に誇示するために、最も美しい姿勢をとった瞬間のような、単なる美しさでは片付けられない熱量と質量感があるように思います。
精神の爆発

本日紹介するのは、スウェーデンの老舗家具メーカー、DUXのPernilla 69。
デザイナーは、スウェーデンの巨匠、ブルーノマットソンです。
このチェアも、一目で彼のデザインとわかるようなアイコニックな曲線を持っています。

Pernilla 69の原型となるペルニラシリーズは、1943年に登場しました。
そこから改良を重ね、1969年に発表されたモデルが、このPernilla 69です。
背もたれから座面へと続く大きな曲線、しなやかに、それでいて大胆な弧を描いた脚部。
ひとつの生命体がそのまま椅子の形をとったような印象を受けました。

プレス成形されたブナ材のフレームは、直線的な部材を組み合わせただけの家具にはない、しなやかで連続的な動きを感じさせます。
人体に寄り添う伸びやかな曲線の背座と、躍動感のあるアームから脚部に続くラインとのコントラストには、何かの生き物が怒りや情熱、覚悟といった極限の感情を表出させ、自らの身体を最も美しく見せるポーズをとったかのような、家具とは思えないほどの存在感があるように感じます。

マットソンが徹底した「人間工学(エルゴノミクス)」への探究と、スウェーデンの伝統的な職人技の融合。
プレス成形によって生み出された有機的なフレームに、熟練の技術で仕立てられたクッションを組み合わさることで、程よいもちもちとした反発が体を支え、包み込むことで極上の休息を体験することが出来るでしょう。

絶妙な色味もこの椅子の魅力です。
dop生地の温かみのある起毛感と、ウッドの持つみずみずしさ、コットンが添える素朴で柔らかな表情。
それぞれが近いトーンで調和しながらも、素材ごとの質感や色の濃淡によって程良いコントラストが生まれています。
落ち着いた色彩だからこそ、有機的なフレームが持つ力強いシルエットが一層鮮明に見えるのではないでしょうか。

機能的であること。身体に優しいこと。そして、見た目に美しいこと。
Pernilla 69は比較的コンパクトなラウンジチェアですが、その佇まいには強烈なエネルギーが宿っているように思います。
静止しているのに、躍動している。
柔らかな安楽椅子なのに、どこか挑発的で、圧倒的にかっこいい。
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