Schou Andersen No.42
中秋の名月を経て、いよいよ長袖の出番に備えるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。 静けさが際立ち、虫の声が聞こえてくる秋の夜長。 身体に掛かる負担が少なくなる秋だからこそ、よりデザインの良さを楽しむことに心を注げます。 デンマークモダンを代表する、名脚が今回のご紹介。 宜しければ最後までお付き合いくださいませ。穏やかで、厳しいひと
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今回はデンマークビンテージのチェア。
ひと目見ただけでも、只者ではない雰囲気を感じさせてくれます。
デザインを手掛けたのは、今もダニッシュデザインの屋台骨であるカイ・クリスチャンセン。
ミッドセンチュリーから現代に至るまでの長くを経験し、また多くの名作を作り出してきた名匠のひとりです。
製造を手掛けたのはスコウ・アンデルセン。1919年創業と長い歴史を持つ老舗のファニチャーメーカー。
今回の1脚、No.42やNV31などが代表作であり、質実なつくりを守りながらも美しさを放つ形を作り出すことで高い評価を得ています。
現在は福祉用の家具を主に製造しているようですが、現在も歴史が紡がれていることに嬉しくなる。そんなファニチャーブランドです。
名作と言われるに相応しく、色々なアイデアが詰まっています。
特徴的なアームは付け根から先端まで約20.5センチと小ぶりなハーフアームと呼ばれる仕様。
ダイニングテーブルでも差し入れがしやすく、そして一の腕を預ける事でよりくつろいで過ごす事が出来ます。
そしてよく見るとアームは上から見ると靴ベラのように真ん中にくぼみが付けられています。
実際に使うとき、預けた腕は身体の中心に向かいます。
靴ベラはわずかに外側を向き、そしてそこから中心線に向かう斜めのラインが最も使いやすいようにかたどられています。
使う人の自然な姿勢を良く観察する事で、生まれる改善のデザイン。優雅ながらその実力を感じられます。
ゆったりと寛げるよう45センチを超えるシート幅がありますが、大味な印象はありません。
脚部は前から見た時にはスマートに見えるよう、けれど確かな強度を確保するために楕円の円柱状に。
更には後ろ脚がすぼまるように内側に寄る事で、遠近感という視覚を利用した意匠が凝らされています。
背もたれは両サイドから留められる事で宙に浮くかたち。重力に逆らうような緊張感を醸し出しています。
接続部の下には見えづらいのですが、くり抜かれたフレームの溝に沿うガイドパーツがあり背もたれはその範囲でわずかに可動するようになっています。
座る人の体格や、その時の姿勢に関わらず快適な座り心地を提供するための仕組みが、驚くような美しさの中に潜んでいるのです。
そしてこのデザインを何倍にも引き立てていると信じさせてくれる、良質な素材。
カイ・クリスチャンセンのビンテージはSchou Andersen(スコウ・アンデルセン)をはじめAksel Kjersgaard(アクセルキャスゴー)やFedballe Mobelfabrik 等で見るいずれも最上級と呼ぶにふさわしい素材を使用しています。
今回は細やかながら荒々しい木目が生命力を感じさせるチーク無垢材。個人的に見てきた中でも1.2を争う蠱惑的な表情を見せています。
チーク材は環境保全から入手が難しくなってしまった希少な木材。
No.42は現在宮崎椅子製作所さんが素晴らしい復刻をしておりますが、樹種は健全なサイクルが可能なものに限られます。
至高と呼べる材料を用いた名脚を楽しめる。所有する悦びを与えてくれる、ビンテージの王道を往くアイテムだと思います。
厚みがあり、仄かな光沢がマッチした黒色のレザーはミッドセンチュリーのデザインにぴったり。
様々な角度から眺めて、触れて、使って、充足のため息をつく。それは正に贅沢。
秋の静けさによって研ぎ澄まされる五感を満たしてくれる、珠玉のビンテージチェアのご紹介でした。











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