Schou Andersen
No.42 by Kai Kristiansen
「猫と過ごした時間は決して無駄にならい」
愛犬家で知られる心理学者のジークムント・フロイトの言葉です。
猫と過ごした何気ない穏やかな時間が人間に安らぎや豊かな時間をもたらしてくれる。深くうなずけます。
そして家具にもこれに通ずるものがあります。
「北欧家具と過ごす時間は決して無駄にならない」

北欧家具界の巨匠、「カイ・クリスチャンセン」。人間工学と美しい造形を両立させたデンマークの黄金期に活躍したデザイナーです。
デンマークモダン家具デザインの父と呼ばれる「コーア・クリント」に師事し、1955年に自身の設計事務所を設立しました。


そんな同氏の代表作「No.42」チェア。ウェルナー・パントン、ボーエ・モーエンセン、フィン・ユールらに影響を受けたとして作られるアイテム。
特に、彫刻的な美しさを持っている通称「Zフレーム」はフィンユールのエキスが色濃く混じっているような。
シンプルでミニマムな構造ですが、優美な雰囲気が伝わってきます。

「No.42」の真骨頂は可動するこの背もたれ。
1956年にデザインされたとは思えない木工技術で織りなす可動式のチェア。
30分以上座り続けると血流が悪くなり、代謝が低下するとされていますが、この背もたれの可動によって、座っている時の何気ない動きにも対応。
深く座っても浅く座っても背中を完全に預けられる構造は、日常使いする点でストレスなく使っていける魅力的なポイントです。


短く可愛らしいハーフアームもこのチェアのチャームポイントですが、手を後ろに回して寛いでいる人のようにも見えてきました。
何だか、怠惰な生活をしていても許してくれそうな佇まいです…。
長すぎず、短か過ぎず、丁度いいベストなアーム。ちょっとした肘置きとしてはもちろんですが、椅子を引くときにも便利。
テーブルに指した時も、アームチェアでありがちな「椅子がはみ出てしまって邪魔だな」といった心配も少ないです。

窓際にポツンと置いておいても様になるアイコニックな佇まいに加えて、人間工学に基づいた利便性も兼ね揃えた1脚。
言葉を話さずにただただ静かに佇む家具。特に北欧の家具は静かな文化で育ち、人と生涯一緒に過ごす事を前提に制作されたプロダクト達。
そして、静かな趣だけではなく、本物がそばにあるというだけでも感性を刺激してくれます。
その作品たちと過ごす日々は決して無駄にならず、深い安らぎや豊かな感情をくれることと思います。































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