Schou Andersen
No.42
「見た目の美しさ、使いやすさ、人間工学に基づいていること、経済的で環境に配慮していること。」
北欧生まれの名作に見られる特徴をデザインのモットーに掲げ、数多くの名作を手掛けたカイ・クリスチャンセン。
美しいだけでは使われず、使いやすいだけでは美しくない。
ましてやそれがあまりにも高価で、且つ環境を壊すような仕様では愛される家具にはなり得ません。
本日ご紹介させて頂くのはこれからも残り続けるかたちを持った一脚です。
美しい理由
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北欧家具黄金期を代表する名デザイナー、カイ・クリスチャンセン。
北欧デザインの特徴である使い心地と美しさの融合を叶えたデザインを手がけ、それらは現代の生活にも色褪せる事無く馴染みます。
今回ご紹介させて頂くのはそんなカイ・クリスチャンセンが1956年にデザインした名チェア。
印象的且つ美しいフォルム、隠されたユニークな仕様を持つ名作、No.42です。
クリスチャンセンのチェアデザインの特徴は何といってもシンプルさと美しさが混合したフォルム。
独創的でありながらも人間工学を考慮したデザインは今尚新鮮に映ります。
伝統的な家具の形態と職人技からインスピレーションを受けていたという事もこの形の理由のひとつの様です。
No.42はその特徴を強く感じさせ、他のチェアデザインとは圧倒的に異なる説得力を持つチェアです。
パーツを極限にまで省きながらも一目でクリスチャンセンの椅子とわからせるインパクト。
全ての箇所が緻密な計算と試行錯誤を重ねられていることが良く分かります。
特に美意識に強く訴えかけるのがすっきりとした横顔。
アームから伸びる脚デザインはクリスチャンセンのチェアデザインの特徴でもありますがこのチェアにはその特徴がより顕著に表れているように思います。
尖ったアーム先から先細っていく脚。
この箇所が与えるシャープな切れ味は北欧ならではの美意識と見事に調和し、新たな軽快さと温度を生みます。
計算された美しさに伴う計算された座り心地もこのチェアの魅力。
現行には無い仕様ですが背もたれは可動式。
ラウンジチェアの様に身体を預けて寛ぐことも、深く座ることも出来ます。
シャープなアームは所謂セミアームの長さ。
これは深く腰掛けた際に丁度肘を支える様計算された長さ。
アームの尖ったデザインに目が行きがちですが肘が当たる箇所はなだらかなラインを描いており優しく身体に馴染みます。
現存するビンテージと宮崎椅子製作所が製造を手掛ける現行品で手に入れる事のできるNo.42。
故に非常に馴染み深い名作でもあります。
今回入荷した個体はデンマークのスコウ・アンデルセン社が60年代に手掛けたビンテージアイテム。
ビンテージ特有の仕様である可動式の背もたれ同様、主材が希少な樹種であるローズウッドである点も珍しい個体です。
優美で艶やか、且つ深みある木色と杢目と美しいチェアデザインの融合は他の北欧ビンテージには見られない点。
チーク材が用いられたビンテージも見られますがこのデザインを引き立てるローズウッドの独特の雰囲気は見るものを深く引き込んでしまいます。
古くからの伝統を自らのデザインに活かしながらも強い独創性を組み込んだカイ・クリスチャンセン。
見た目の美しさと使いやすさ、人間工学に基づきながらも経済的で環境に配慮したデザインは今尚美しいデザインとして評価されます。
○○スタイルや○○風が増え、本物が埋もれる。
名作と似通ったものも多く出回る中でもプロダクトデザイン的美しさと独自性を放ち続けるものだけがこれからも愛され続けます。
これからも残り続けるかたちを持った一脚。
美しい理由を持つ名作のご紹介でした。