ジャパンビンテージ
炬燵櫓
激しく移り変わる時代。
人々の生活スタイルは日々変化を続けます。
日本の暮らしぶりもここ数十年で大きく変化しました。
ちゃぶ台が消え、ダイニングセットが主となったように。
良いものを永く使うことを辞め、生活を使い捨て消費するように。
しかしながら時に感じるのです。
過去のものが古くなったわけではなく、日々ばら撒かれる新しいことのせいで忘れてしまっただけだと。
また使いたいという想いがあれば、ものはまた命を吹き返すはず。
アレンジやコーディネートと言うと軽く聞こえるかもしれませんが、古い家具に未来を与えるのもまた、やるべき仕事です。
日本が残した家具を紹介します。
切り捨てられない可能性
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昭和中期の古いアンティークとして稀に見かけるこの木製の箱。
こたつやぐら(炬燵櫓)はその名の通りこたつの布団を掛ける四柱方形の木組みのやぐらです。
今の様に電気ごたつの無い時代。
寒い季節を乗り切るために作られた日本ならではの家具がこのこたつやぐらでした。
本来見えないはずの木組みに与えられた丁寧な造りと装飾。
デザインの良さと堅牢さに先ず驚かされます。
素朴さの中に品があり、決して古臭さを感じさせない。
隠れる箇所にも拘りを詰め込む、日本ならではのものづくりを強く感じさせます。
時代を感じさせる深い風合も魅力。
経年を帯びそれが魅力に変わるは丈夫に作られた家具のみ。
部位により大きく異なる杢目の表情が、デザインの良さをより引き立てています。
元々こたつやぐらではあります。
故にコンパクトな程よいサイズ感。
現代の生活スタイルにも溶け込んでくれるボリュームは昔の日本家具ならでは。
緻密に組まれ、抜けた天板のパターンを活かしガラス天板を乗せても良さそう。
トレイを置いてそこにものを置いても素敵に使えそうです。
ソファの前やチェアの横、あらゆるところで魅力を発揮してくれます。
和家具や和室との相性は勿論抜群。
しかしそれでは渋みのみを引き立ててしまうように感じます。
デザインの良さやディティールの魅力、その物自身が持つ風合いは時に扱う人のセンスやアイデア、空間が引き出すもの。
このビンテージに出会った瞬間可能性を感じずにはいられませんでした。
今回はイームズのアームシェルチェアとキリムのラグの中心に。
天板にグレーやブラウンのスモーキーなガラスやアクリル板を挟んでも良さそうです。
昔の環境の為の家具なんて使えない。
実際そう言われることもしばしば。
大切なのはそのもの自体を如何に評価してあげられるか。
そして今の生活にどう組み込んであげるか。
時代が切り捨てても、良いものの魅力は変わらずあり続けるもの。
役目を終えた古家具は時に可能性を秘めます。