Koefoed Hornslet
LIZ Dining Chair
例えば、一面真っ青の絵の具で塗られた絵があったとしたら、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
もしタイトルがSKYなら空を、SEAなら海を、どこかの国や町名なら街並みや風景を、誰かの名前ならその人となりを想像することでしょう。
untitledだったり番号だったりするときは受取り手の感じ方を限定したくないのかもしれません。それくらい名前が与える印象ってものすごく大きいと思うのです。
家族の椅子で食卓を
Neals Koefoed(ニールス・コフォード)が手掛けた「Eva・Ingrid・Liz」は、自身の娘と同じ名前を授けた3部作のダイニングチェア。
娘の名を冠したダイニングチェアと聞くと、家族を大切に思うデザイナーが作った温もりのある椅子なんだろうと思えるからやっぱり名前って大切です。
縦に伸びるスラットバックのようなEva(エヴァ)、扇型に広がるファンバックに近いIngrid(イングリッド)、そしてはしご状のラダーバックを取り入れたLiz(リズ)。
ちなみに、息子の名前がついたPeter(ピーター)やデンマークの一般的な男性の名前のMorten(モーテン)というチェアもあり、それぞれに異なる個性にもしかしたら性格もデザインに反映されている?なんて想像も膨らみます。
リズの魅力といえば背もたれから脚部にかけての流線美やリボンのようなフォルムが愛らしいラダーバック。きっと可愛らしさと美しさを兼ね備えた女性だったに違いありません。
さらにハの字に広がる脚など、随所に北欧らしいこだわりの意匠が光ります。
またビンテージならではのローズウッド材が落ち着きと奥深さを醸し出し、チークやオーク材にはない渋みのある力強さを感じられます。張替えられたチャコールグレーのファブリックとの相性も抜群です。
安心して身体を預けられるハイバックの背もたれと柔らかくゆったりとした座面が作り出す安定感のある座り心地もお伝えしておきたいポイントです(背中にクッションを当てるとより快適になります)。
Koefoed Hornslet(コフォードホーンスレット)はもともと父・Einar(アイナー)が1920年に創設した工房。
きっと家具づくりだけでなく家族愛も一緒に引き継がれているのでしょう。
娘のことを考えながら生まれた温かな恩愛を感じられる北欧の椅子。家族が集まる食卓にぴったりのダイニングチェアです。