KOTOBUKI
FRP Side Chair - meister ver
日本のミッドセンチュリーモダンを代表する家具ブランド「コトブキ KOTOBUKI」。
1914年創業の老舗ブランドでもある同社は、ミッドセンチュリー期においては当時世界的に最先端の素材として知られていた "FRP(ガラス繊維強化プラスチック)"による製品を日本で手掛け、パイオニア的存在に。
柳宗理の名作"象足スツール"を始め、剣持勇の"スタジアムチェア"や、1970年に開催された大阪万博では"太陽の塔"、展示場内の家具や什器等、日本にとって重要な国家プロジェクトにも深く携わった事で知られています。
ジャパニーズミッドセンチュリーの風を感じる。
名実共に第一線で活躍してきたコトブキですが、同社のメインプロダクトとなるのが"FRP製チェア"。
1965年に開催された「イスのコトブキショー」では最先端のFRP製チェアが次々とお披露目され、当時国内のモダンデザインを風靡しました。
こちらはそんなコトブキと日本の巨匠デザイナー"柳宗理"がタッグを組んで生み出した名作「FRP サイドチェア」。
FRP製の背座一体のシートは "イームズ サイドシェルチェア" にも通ずる設計となっていますが、こちらはより気風のよいデザイン。
素直に「かっこいい!」と言えるハンサムなフォルムが特徴的で、当時の空気感が活き活きと伝わってくる一脚です。
当時のFRPは家具としての実用性を高める為に造形による工夫が必要で、例えばイームズのサイドシェルチェアではシェルの縁を折り返す事で強度を確保していました。
こちらのサイドチェアでは、よりすっきりとしたデザインにする為に縁の折り返しはせず、シート裏のお尻の部分を大きく膨らませる事でシェルの強度を上げています。
これは実際に座ってみると分かるのですが、とても堅牢な作りで、座っていて安心して身体を預けられるような心地良さがあります。
主に公共施設で多く導入されたそうなのですが、メイドインジャパンのいい所がぎゅっと凝縮された印象で、納得の品質です。
座面の仕様や脚部の構造等、いくつかのパターンで作られていたようですが、こちらは座面全体に上質なファブリック地が張られた人気の一脚。
更にこちらは通常のモデルとは異なり、柳宗理自身がファブリック生地の選定を行った、"マイスター仕様"となっています。
ほんのりクリームがかったホワイトのシェルをキャンパスにして配置されるのは、青空のようなブルーに、鮮やかなレッド。
柳宗理の粋な心意気を感じさせるコントラストで、空間に魅力的に映えながら、他にないアクセントを添えてくれます。
赤い椅子たちは縁あってお買取りさせて頂いた、別注カラーのサイドチェア。またとない機会ですので一緒にご紹介させて頂きました。
脚部はすっきりとしたエッフェル調のベースで、このチェアならではのスタイリッシュさが更に引き立たせられているようです。
洗練されたデザインなのに充実感を伴うこの存在感は、まさにジャパニーズミッドセンチュリーの魅力をそのまま表したかのような一脚と言えるでしょう。
現在既に製造されておらず、希少性の高いアイテムとなっております。
ホームユースから、店舗用インテリア、コレクションとしても。お探しの方は是非この機会にご検討くださいませ。