Hans J. Wegner
CH25 Lounge chair
1960年のアメリカ大統領選テレビ討論会で、ジョン・F・ケネディとニクソンが腰かけた「ザ・チェア」をきっかけに、世界中の視線を集めたハンス・J・ウェグナー。
生涯で500脚以上ものチェアを手がけた彼は、いまや北欧家具の枠を超えて、“家具そのもの”を語るうえで外せない存在です。
今年初めに渋谷ヒカリエで開催されていた「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」も、本当に見応えたっぷりでした。
そんなウェグナーの世界観を体現する、歴史的名作シリーズの「5 Icons」から一脚。
ついに自由が丘店に入荷しましたので、ご紹介します。
静かに語りかける、CH25という名作


まだウェグナーが世界的な脚光を浴びる前のこと。
1949年、名門カール・ハンセン&サン社とタッグを組んだばかりのタイミングで生まれた、初期の名作シリーズ「5 Icons」。
その中でも特に有名なのが、CH24、通称Yチェア。imptionでもおなじみの人気モデルですよね。
そして今回、自由が丘店にやってきたのは、「CH25」ラウンジチェア。
しかも、なんとビンテージ個体。imptionでもなかなか出会えない、かなりレアな一脚です。


ウェグナー展で「5 Icons」のチェアたちの実物を一通り見た中でも、やっぱり個人的にグッときたのはCH25。
このシリーズ、どれもペーパーコードを使っているのが特徴なんですが、背もたれから座面までフルで使っているのはCH25だけなんです。
しかも、その長さはなんと約400メートル。
熟練の職人でも、一脚仕上げるのに8〜10時間かかるというから驚きです。
たった一脚に、それだけの時間と手間をかける。効率だけを考えたら、きっと選ばない方法。
でも、それでも譲れなかったんだろうな、と。
この美しく編み込まれたペーパーコードを眺めていると、ウェグナーのこだわりやものづくりへの熱量が、じんわり伝わってくる気がします。

美しい木目が際立つオーク材のフレームは、座面からそのまま後脚へとつながる、すっきりとした構造。
後ろから眺めたときのシルエットも抜かりなくて、座面からゆるやかに伸びるテーパーの効いた後脚が、シンプルなのにどこか洗練された空気感をつくり出しています。

そして個人的にたまらないのが、この前脚のY字フォルム。
さりげなく可愛さがあって、思わず目がいってしまうポイントなんです。

フレームの美しさは、正直見た瞬間に惹かれるレベル。
ウェグナー展では座れなかったので、「これは今しかない」と思って実際に腰かけてみたんですが……やっぱりすごい。名作ってこういうことか、と。
無駄を削ぎ落としつつ、ちゃんと使う人のことまで考えられているあたりに、ウェグナーらしさを感じます。

座面は奥に向かってゆるやかに傾斜していて、広めの背もたれと相まって、体が自然にふわっと収まる感じ。
しっかり支えられているのに、どこか軽やかな座り心地なんです。

アームレストもゆったりめの設計で、変に力を入れずラフに座れるのがいいところ。気づいたら全身を預けてリラックスしていました。
それでいて安定感も抜群で、深く座った状態からでもスッと立ち上がれる。
このバランス感覚、さすがだなと実感しました。

北欧デザインを語るうえで欠かせない存在、ウェグナー。そんな彼がカール・ハンセン&サンと生み出した、最初期の椅子シリーズのCH25。
そのビンテージを、実際に見て、触れて、体感できたこと。
「imptionで働いててよかったなぁ」と、しみじみ思ってしまう瞬間でした。(ほんとに感謝です、笑)
自由が丘店に来ていただければ、ウェグナーが大切にしていたデザイン哲学やものづくりの深さを、しっかり感じてもらえるはずです。
写真だけでは伝わりきらない、この存在感や素材の美しさ。
ぜひ実物で味わってみてください。































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