Carl Hansen & Son
CH24 Y Chair
数ある北欧デザインチェアの中でも、世界中で長く愛され続けている名作「Yチェア」。
家具やインテリアが好きな方なら、一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
シンプルでありながら圧倒的な存在感を放ち、空間にすっと溶け込みながらも目を惹く、まさにタイムレスな一脚です。
正式名称は「CH24」。背もたれの美しいY字型のデザインから、「Yチェア」の愛称で親しまれています。
最近ではSNSやインテリア写真で見かける機会も増え、「気になっていた!」という方も多いはず。
でも、意外とその歴史や魅力については知らないことも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、改めてYチェアの魅力や特徴についてご紹介したいと思います。(私自身の予習も兼ねて…!)
北欧デザインのアイコン

Yチェアをデザインしたのは、北欧デザインを語るうえで欠かせない存在、Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)。
ウェグナーは92年の生涯の中で、なんと1,000点を超える作品を生み出しました。
そのうち半数以上となる500脚以上が椅子のデザインだったと言われています。
「椅子の巨匠」と称される彼の作品は、無駄を削ぎ落とした美しいフォルムと、長く使い続けられる耐久性、そして日々の暮らしに寄り添う心地よさが魅力。
時代や流行に左右されることなく、今なお世界中で愛され続けているそのデザインは、まさに北欧家具のスタンダード。
シンプルだからこそ奥深く、使うほどにその価値を感じられる、本物の北欧デザインと言えるでしょう。

実はYチェアが誕生するまでには、ウェグナーの長い探求の歴史がありました。
Yチェアをデザインする以前、ウェグナーは中国の伝統的な椅子に着想を得て、代表作のひとつである The Chinese Chair(チャイニーズチェア)を発表しています。
そこからさらに研究と試作を重ね、そのデザインを進化させる形で生まれたのがYチェア。
こうして誕生した一脚は、今ではウェグナーを代表する名作として世界中で愛されています。

Yチェアの魅力は、どの角度から眺めても絵になる美しいフォルム。
なめらかで有機的なデザインを見ると、「一体どうやって作られているんだろう?」と思ってしまいますが、実はこのフレーム、すべてのパーツを分解すると平らに置くことができる構造になっています。
つまり、この立体的なフォルムは複雑な三次元加工によるものではなく、それぞれのパーツを平面方向に曲げ、絶妙な角度で組み合わせることで生み出されているのです。
曲線が連続するやわらかなシルエットでありながら、その背景には合理的な構造と緻密な設計思想が隠されています。シンプルに見えて奥深い。
そんなところにもウェグナーらしさを感じます。

そして、Yチェアの名前の由来にもなっている背もたれのY字型パーツ。
この印象的なデザインは鳥の胸骨(ウィッシュボーン)にも見えることから、海外では Wishbone Chair の愛称でも親しまれています。
また、このY字パーツを支えるアームには成形合板が採用されており、しなやかさと高い耐久性を両立。
身体を預けたときも背骨に当たりにくく、自然と身体に寄り添うような快適な座り心地を実現しています。
見た目の美しさだけでなく、構造や使い心地まで丁寧に考え抜かれていること。
そんな細部へのこだわりこそが、Yチェアが70年以上にわたって世界中で愛され続けている理由なのかもしれません。

「椅子には裏側がありません。あらゆる側面と角度から美しくなければなりません。」
これは、Hans J. Wegnerが残した有名な言葉です。
Yチェアは、まさにその思想を体現した一脚。どの方向から眺めても美しく、空間の中で凛とした存在感を放ちながらも、暮らしに自然と溶け込んでくれます。
そして、その魅力は見た目だけではありません。
実際に腰掛けてみると、背中をやさしく支える背もたれや、身体に馴染むアームの心地よさなど、写真や言葉だけでは伝わらない快適さを感じることができます。
眺めて美しく、使って心地よい。
長い年月をかけて世界中で愛され続けている理由は、きっと実際に触れてみることでより深く実感できるはずです。
Yチェアは、日々の暮らしの中でその価値を少しずつ教えてくれる、そんな特別な椅子なのかもしれません。











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