Cassina
302 ARGYLE
大量生産による安価で粗悪なものにあふれたヴィクトリア朝の時代。
イギリスの詩人、思想家、デザイナーであるウィリアム・モリスはこの状況を批判しました。
生活と芸術を一致させようという思想は影響を及ぼし、とある建築家もまた、この運動の推進の最中に名作を生み出します。
そのひとつの名チェア、アーガイルチェアのご紹介です。
気品ある空間
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アールヌーヴォーを代表する建築家、チャールズ・レニー・マッキントッシュ。
グラスゴー美術学校やヒルハウス等の名建築を手がけ、今尚強い存在感を放つ仕事を手掛けた巨匠です。
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代表的な作品として知られるアーガイルチェア。
ダイナミックさと気品と存在感。
一目見たら忘れられない姿は衝撃的で、強いデザイン哲学が込められた名チェアと言えます。
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デザインは1897年。
グラスゴーのアーガイル通りの喫茶室の為にデザインされたのがこのチェアでした。
マッキントッシュはこのチェアを非常に気に入っており、自邸でも使っていたそう。
ユニークとは一言では喩えづらい存在感は、様々な場所で印象を残しました。
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同チェアは1900年のウィーン国際博覧会にも出品されたそう。
いかにこのチェアが特別だったかが伺えます。
独特の造形と気品は強い存在感を放ち、デザインから100年以上が経つ今日でも私たちに新鮮に映ります。
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ダイナミックなデザインスタイルは、当時の人々には奇抜に映ったそう。
マッキントッシュは建築家としての名声が得られず、晩年は南フランスで水彩画を手掛けています。
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すらっと伸びるバックに楕円形の笠木。
床まで一直線に落ちる後脚と一体化する背板。
シルエットのインパクトは勿論、細部への気配りもこのチェアの特徴です。
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一見して装飾的な椅子と思わせるアーガイルチェア。
しかしながらこの形は外部からの視線を遮り、プライベートな空間を作る機能性を持ち合わせています。
喫茶室に求められる機能を持つ最適なデザインのチェアだったのかもしれません。
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度々日本的な感性を感じさせると言われるマッキントッシュのデザインスタイル。
印象的なかたちながらどこか落ち着いた気品と雰囲気がそのように思わせるのでしょうか。
モダンで素晴らしい空間を作り出してくれる名チェアです。
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