Castelli
DSC 106
1940年、イタリアのボローニャに生まれたインダストリアルデザイナー“ジャンカルロ・ピレッティ Giancarlo Piretti”。
カステリ社のデザイナーとして従事し、多くの名作を輩出した名デザイナーとして知られて居ます。
エミリオ・アンバースと共同制作した椅子「バーテブラ」「ドーサル」がコンパッソ・ドーロ賞とインダストリアルデザイン賞を受賞。
代表作である「プリアチェア」は現在の折り畳みチェアの原型とも称され、MoMAのパーマネントコレクションに選定されるなど数多くの作品が高い評価を受け、現在でも世界中に愛されています。
イタリアの名作をの日本人仕様に
本日は同氏が1965年にデザインした公共向け家具のDSCシリーズの”スタッキングチェアDSC 106"をご紹介させて頂きます。
イタリア・カステリ社の為に特別にデザインされたことから通称"カステリチェア"とも呼ばれています。
"DSC 106"の大きな特徴はクランブ式構造によるその優れた耐久性です。
高度な技術で加工したプライウッドを、金属フレームで挟み込むことで、金属の釘やネジを木材に打ち込まずにフレームとシートを固定しています。
プライウッドへの負荷が少なくネジ緩み等のトラブルがないので、長年愛用できる一脚。また、 スタッキングできる仕様なので、纏めて仕舞える実用性も持ち合わせています。
こちらは岡村製作所(現:オカムラ)が日本向けにCastelliと技術提携して1982年に製造を開始したモデル。座面裏にカステリ社の刻印と共にオカムラのシールが確認出来ます。
現在では製造されておりませんが、このDSC106を含むDSCシリーズはいくつかのグッドデザイン賞を取得。 80~90年代にかけて大量生産され、多くの公共の場で使用されております。
Castelli社の物は座面高さが47cmと高めですが、岡村製作所のモデルは日本人の体型に合った大きさにリサイズされております。(若干の個体差はあるようですが、こちらの個体は座面高41cm)
確りと脚が床に着くことで、疲れにくく長時間の着座にもおすすめ。
背もたれと座面はゆったりとしたサイズに設計されており、程良く傾斜した背もたれは楽に身体を預けることが出来ます。
鮮やかなブルーのファブリックとアルミニウムの冷たい質感のコントラストがイタリアらしいモダンなデザイン。
高いデザイン性もさることながら、公共用の椅子として高い実用性も併せ持つ一品です。是非この機会にいかがでしょうか。