Castelli
DSC 106
1965年に誕生した”カステリチェア” 。
見た目の良さ、実用性の高さ、構造美。
折り畳み式やベンチ式、サイドテーブルやアームレストのオプションが付けられ、自由自在に拡張されても
崩れることのない統一した美しさのある公共家具のシリーズです。
日本でも80~90年代に大量生産され、劇場や空港、会議室などの公共空間で使用された人気のアイテム。
今回はそんな名作のご紹介です。
構造美。
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「DSC106」、通称カステリチェア。
デザインを手掛けたのはイタリアのインダストリアルデザイナーのジャンカルロ・ピレッティ。
イタリアのカステッリ社でデザインを手掛け、多くの名作を輩出した名デザイナーとして知られています。
彼のデザインの共通点はスタッキングや折り畳みを通した高い合理性。
現在の折り畳みチェアの原型とも称されるチェアデザインも手掛けており、それは折りたたみ椅子の歴史を変えたとも言われています。
シートに用いられたのはプライウッド。
薄い一枚板をいくつも重ねて作られる成型合板は、より頑丈で加工しやすく、安価で大量生産可能。
公共施設のものデザインする上では、うってつけだったわけです。
ジャンカルロ・ピレッティはプライウッドに目を付け、高いデザイン性と実用性の共存を試みました。
耐水性や耐久性に優れたレッドPVCレザー。
どこかアーキテクトなフレームデザイン。
広めに設計されたシートによるゆったりとした座り心地。
すっきりとした印象をも与えてくれる、スタッキング時の美しさ。
機能性や実用性が求められるインダストリアルデザインとしては、充分すぎる説得力があります。
構造美。
このチェアの魅力はここにあります。
シートに金属を打ち込むことなくフレームを結合させるクランプ式構造。
プライウッドをフレームで挟み込むこの構造により使用に伴う負担を極限まで抑え、より長い寿命を与えています。
この構造はピレッティの発明と言われ、後のチェアデザインに大きな影響を与えました。
見た目の美しさと座り心地、スタッキングによる実用性、そして構造美。
長年使用しても尚、変わらないその佇まいをみて初めて、個体の魅力を理解します。
「デザインはファションではない。単に目を引くもの、外見だけのものではなく、使ってみてはっきり機能がわかるものがデザインの使命である」
ジャンカルロ・ピレッティのデザイン哲学を感じて頂ける逸品です。