OBJEKTO
PAULISTANO ARM CHAIR
簡単で美味しい豚バラの肉巻き料理。以前は1枚ずつ具材を巻いていたのですが、ここ最近はもっぱらワイルドスタイルです。
パックの中で重なった状態の豚肉にアスパラかズッキーニ、もしくはネギやレタスなど好みの野菜をそのまま巻く。
2つの材料だけで作るお手軽レシピでありながら、大きなロールは食べ応えもあって大満足なのです。
散りばめられた対比たち
少ない材料でもより美味しいものを作りたいと考える料理のように、きっと身の回りには限られた素材でより良いものを生み出そうと作られるものがたくさんあります。
家具もまた使う素材数が断然少ない中で、不特定多数の人に認められる見た目や快適性を追求しなければいけません。でもそんな難題を見事に超克するからこそ、世界的な名プロダクトが誕生するわけです。
そのひとつに数えられる名作椅子、建築家・Paulo Mendes da Rocha(パウロ・メンデス・ダ・ロシャ)が手掛けた「パウリスターノアームチェア | PAULISTANO ARM CHAIR」。
1957年にサンパウロの有名な競技場のためにデザインされたラウンジチェアです。
使われる素材はレザーとスチールのたった2つ。しかも枠組みだけのフレームに背座を覆いかぶせるという至極シンプルな構造で作り上げられています。
コンクリートや鉄を用いたダイナミックな建築を得意とする氏ならでの大胆なデザイン。ブラックを基調としたカラーリングがそのミニマルな魅力をさらに引き立てているようです。
そんなクールな見た目に対して、座り心地はカンチレバーの弾力が優しく柔らかい。大きなしなりがハンモックのように揺れ、ふわふわと浮いているような気分を味わうことができます。
ちなみに座る部分のレザーを前後に動かすことで深さを変更することができるため、座りやすい位置を自身で調整することも可能です。
2つの素材で作られた快適な椅子。こんな風に表現するとなんだか安っぽく聞こえてしまうかもしれません。
でも、素材の活かし方もデザインも座った時の心地よさも本当にすべてが秀逸。散りばめられたさまざまな対比がそう思わせるのでしょう。
ただ、今回は早くも旅立ちが決まりました。実際にこの椅子に腰かけて皆さんに体感してほしいと思いながらこのブログを書き始めましたが、それはまた次の機会に。