Ingo Maurer
Swingading Stand Light
こんばんは。昨日仕事帰りに飛行機雲を見ました。お店が終わった後なので勿論夜の時間帯なのですが、空が明るい夜だったのかややグレーに彩られた細長い雲を、いつもとは違うシチュエーションで見られたのはささやかながらとても素敵な経験でした。 仕事をして毎日を忙しく過ごしていると、空を見上げる事すら忘れがちになりますよね。一生懸命な人ほどそうなのかもしれません。私はふと何かのタイミングで空の青さや高く広がる空間に気が付くと、清々しい気持ちになったり、「嗚呼余裕が無かったな」と苦笑するような気持ちになりますが、このブログをご覧の皆様はふとニュートラルな心持ちになる瞬間はありますでしょうか? 今回ご紹介させて頂くのは、そんな日常で強張ってしまった慌ただしい気持ちを、より自然体な、ニュートラルな位置に戻してくれる、そんな光を感じることの出来る静かな名品です。
すべては自由
>>この商品の詳細を確認する このライトはドイツ出身のインダストリアルデザイナー、インゴ・マウラー(Ingo Maurer)のもの。ライティングの歴史を語る上で外すことの出来ない、印象的な作品を数多く残しています。1969年発表のバルブ〈Bulb〉や、ルーチェリーノ〈Lucellino〉等、照明という領域を考える上では結びつく事の無い概念との結びつきが新しい世界観を生み、氏ならではの独創性をもたらしています。
今回のライトもそんな氏の思索が感じられます。 名前はスウィンガディング〈Swingading〉。スウィングという言葉が入っている通り、縦横無尽にしなる支柱が ポイント。支柱にはさらさらとした質感のコーティングが施されており、備え付けられたステンレスの錘を丁度良いところで留める事で光の向かう先を自分の求める塩梅に調整する事が出来ます。
トップの光源はハロゲンライト。単体であれば指向性の強い光を放つ電球ですが、樹脂製のシェードが2つ備え付けられており、軸を中心にスライドさせる事によって届く光のやわらかさをコントロールする事が出来ます。重なり合う部分とそうではない部分を作るのも思いのまま。 ベース付近には傘の付いたフットライト。正円のベースには螺旋の意匠があり、足もとを単に照らすだけではなく凸凹の陰影から、光がそこに存在する事を感じ取る事ができます。
スイッチは支柱の中程にありトップ&フットライト、フットライトのみ、消灯の3段階が選択可能です。また直上のグリップを回す事でトップライトの向かう方向を真上から真下のおおよそ180度変更することが出来ます。 光を放つ形を提供するのが「照明」と定義するならば、デザイナーらしさを感じさせながらも、使う人ごとに求める形を最適化出来るこのライトは、流石と言える高い完成度です。
いつも通りに生活する上で当たり前にそこにある光。インゴ・マウラーはそこに新たな概念を結びつける事で人々にそこに光が存在することを示しました。いつも通りとは言えない情勢が続いておりますが、日常から一旦離れ、自分の感覚を取り戻してより自然体になる。そんな一瞬はあっても良いはずです。そんなひとときにこのライトはいかがでしょうか? オンラインストアからもご覧頂けますので、宜しければ併せてお読み頂ければ幸いです。