Italy modern
salon chair
18世紀頃のヨーロッパの暮らし。
貴族達が別宅にお客様を招き、自由に談話を楽しむ「サロン」と呼ばれる社交界が流行した時代。
著名な文化人を招き、知的な会話で貴族ぶりを演出していたそう。
その社交界で高貴な暮らしを自慢するために作られたのが「サロンチェア」。
高級素材や細かな装飾、美しい造形。
美術品の様なチェアが用賀店に入荷しました。
象嵌の美しさ。
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気品と品格を持つヨーロピアン家具。
目を惹く造形と佇まいは、機械では再現できない職人達の業が施されているから。
多大な時間をかけ高度な技術で形作られてゆく逸品。
労力や情熱は細部に目をやると深く理解させられます。
フレームに沿って削り出された装飾。
伸びた先のアームには、柄の装飾と滑らかな造形。
オリフィス状のレッグに、猫脚のフット、三日月型にカーブを描く背もたれ。
無機質な表情を見せることなく、有機的な佇まいは気品ある作品に。
個体最大の特徴が、象嵌。
木材の表面に模様を彫り、切り出した別の木片をはめ込んで模様を描く技法です。
フレームを削る作業とは違い、繊細かつ高い技術力が必要なため、完成までに多くの時間を要します。
象嵌のある個体は、芸術作品のような扱いを受け貴重で高価なものとして認識されているそう。
高度な業を一目で感じさせる螺旋デザイン。
中心には太陽模様。
反対側には ”削り”を入れるために用いられたと思われる、円形素材。
後ろからの佇まいにも気品を感じられ、隙なしの造形。
規則正しく当てはめられたタイルのような形姿。
芸術と言わしめる象嵌がこの花柄。
立体的に映る様、複数の材による重ね技法や染料塗装が施されていると思われます。
一目で手間と労力を感じさせます。
高価な芸術品として扱われる象嵌には、血と涙と汗が含まれた ”意匠”代が込められているのでしょう。
当時の生活や暮らしぶりを映す家具デザイン。
来客を持て成す為に拘り尽くされたサロンチェア。
座る目的だけではなく、空間演出や人となりを示すいわば”作品” として作られました。
その造形美は機能性や効率に拘る現在だからこそ、評価される魅力を持っています。