Artifort
Ribbon Chair
椅子にはなぜ脚がついているのか。なんて、皆さんは疑問に思ったことはありますか?
ちなみにAIさんに質問してみたところ、座面を床から浮かせて安定させ座りやすくするためだそうです(そりゃそうですよね)。
普段何気なく使っているものの形は、きっと試行錯誤の長い歴史の中でたどり着いた一番理にかなった完成形。たぶんふつうは疑念を抱くことはありません。
新たな完成形

でもそんな常識を不思議に思える人が偉大なデザイナーとして名を刻む。
Pierre Paulin(ピエール・ポラン)はまさに当たり前を疑うことから新たなデザインを生み出し、デザイン界に新たな1ページを書き加えたフランスを代表するデザイナーです。


数々の名作を残した氏のプロダクトの中でも、代表作や傑作と呼ばれるのはストレッチ素材の布を使った作品たち。独創的なフォルムを実現するために、最初は水着やタイツを使って試作を繰り返していたそうです。
そこから誕生したオレンジスライスチェアやマッシュルームチェアを皮切りに、1966年に発表された「リボンチェア | Ribbon Chair」はポランを語る上では欠かせないアイコン的な存在となっています。


ねじれる帯状の背座がリボンのようにしなやかなラウンジチェア。ビビッドな赤いファブリックとめずらしいホワイト色のウッドベースの組み合わせも相まって、ミッドセンチュリー期らしいポップな雰囲気を存分に醸し出す1脚です。
また、一見椅子には思えない有機的な造形ながら、本当に一度腰掛けてほしいと思うほどに座ればふんわりと身体が包み込まれ、心地よい反発力に絶妙な着座感を味わうことができます。


本人にはアートとして制作した意図はないのかもしれませんが、見事に芸術性と実用性が融合された名作。羊頭狗肉とならないこのデザインには、おそらく製造メーカーであるオランダのArtifort(アーティフォート)社の力添えも大きかったのではないかと推測します。
だって芸術性(Art)と心地よさ(Comfort)を繋げた社名からして、ポラン作品をそのまま体現しているんですもの。多くのデザインを同社から発表していることからも絶対に相性抜群だったに違いありません。

パソコンのない時代だったにも関わらず、脳内で作り出した3Dを紙と鉛筆で3次元に起こすCADみたいな方法でデザインしていた天才的な一面をもつピエール・ポラン。
それにプラスして「いわゆる椅子の形でない椅子」を考え続ける人間離れした思考とイームズや北欧デザイン、日本の美学から受けた影響を見事に結合させて、無二の造形を創造しました。
ただ独自路線を貫くのではなくニーズに応えることを忘れなかったからこそ、実用的な心地よさを兼ね備えています。これが新たな椅子の完成形といっても過言ではないはずです。































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