Ercol
Wall Platen Rack
壁にかけることで空間に息を吹き込むウォールラック。
日常の中で使われる物たちが、ただの物体からから魅力的なディスプレイへと変わる瞬間。
それがウォールラックの持つ魅力です。
本日ご紹介させて頂くのは愛され続けるビンテージアーコールの逸品です。
伝統と温もりが息づくビンテージ
英国ミッドセンチュリー時代を代表する家具メーカーとしても知られるアーコール。
その歴史は、今からちょうど100年前の1920年に、ルシアン・アーコラーニによって幕を開けました。
創業以来、現在も彼の家族が経営を引き継ぎ、数々の名作を世に送り出し続けています。
ルシアン・アーコラーニは、イギリスの伝統的な様式を尊重しつつ、その枠を超えて新たなデザインに挑戦しました。
伝統を大切にしながらも、革新的なスタイルや技術を巧みに融合させ、アーコールの家具に独自の魅力を与えています。
ミッドセンチュリー北欧家具を思わせるフォルムが時折見られるのも、この挑戦の結果といえるでしょう。
アーコールの家具は、そのシンプルさと美しさが、まさに際立つ存在です。
今回ご紹介するのは、アーコールの卓越したデザイン哲学を体現したウォールラックです。
1960年代から80年代にかけて製造されていたこちらのヴィンテージアイテムは、日本では珍しい壁掛け式のプレートラック。
単なる収納には留まらず、食器や小物をディスプレイしながら楽しむためのインテリアアクセサリーとして、暮らしに新たな価値をもたらします。
主材には、美しい直線的な杢目が際立つエルム材を採用。
当時カントリー家具において広く用いられていたエルム材は乾燥が難しく、歪みやすいという問題があったそう。
それを克服したのがアーコールでした。
アーコールは、エルム材の乾燥方法を独自に開発し、この木材を家具に適した状態にする技術を確立しました。
その結果、エルム材はその強度と美しさを保ちながら、長年にわたって優れた耐久性を発揮しています。
ラダーバックカウホーンチェアの背もたれを思わせる、波型のシェイプ。
アーコールらしい、角に丸みを持たせた繊細なデザインは、チェアやテーブルと共通する美しいディテールです。
元々はお皿をディスプレイするために設計された棚で、プレートをはめ込むための溝が施されていますが、その用途に縛られる必要はありません。
十分な奥行きが確保されているため、小物雑貨やフォトフレームなどのディスプレイにも対応できます。
キッチンでは、スパイスやカップを並べるのも素敵な使い方です。
古き良き伝統を継承し、長い年月をかけて使い込まれたビンテージ家具。
その年月の重みと人々の生活は家具に温かみと独自の風合いを与えています。
アーコールのウォールラックは、そのクラフトマンシップと哲学が融合した一品。
歴史ある品格と個性をプラスし、日常の中で特別な瞬間を作り出します。