artek
L297 file cabinet
北欧モダニズムを表現し”北欧の賢人”と謳われた アルヴァ・アアルト 。
有機的でシンプルという本来交えない領域を融合させたことは、現代のデザイン界にも大きな影響を与えています。
素材の良さに造りの良さ。
今回ご紹介するのはフィンランド家具を象徴するような逸品です。
自然と職人、建築家。
>>この商品の詳細を確認する
戦争により国も人も疲弊していた1900年代前半。
バウハウスデザイン台頭もあり、少ない資金で大量の実用的な物を生産するモダニズムが浸透しつつあった時代でもあります。
そんななか”安価でシンプルで機能的” を実現する上で最適な素材として評価を受けていた金属やコンクリート。
木を使用したデザインは古いしきたりとして、時代遅れだと見捨てられつつありました。
急激な木材離れに疑問を持ったアアルト。
自然の美しさを保ちつつ機能的なデザインは実現できないだろうかと考える様になります。
最初に目を付けたのが素材の選定。
フィンランドは小さな国土面積ながら70%が森林と自然豊かな国でした。
そのほとんどが白樺(バーチ)の木。
硬質で杢目が詰まった強度。
表情豊かな縞模様の優しい風合い。
アアルトが目指す モダニズムを体現する上で最適な素材でありました。
大量生産に向け生産工程に工夫を施しました。
手作業による一点物ではなく、多くの人の手に渡る量産品として工場で製造。
ただ完全機械によるオートメーション化でありません。
素材の選別から仕上げまで、熟練された職人のクラフトマンシップと合理的な機械化を組み合わせた製造工程により作られています。
職人と機械の融合は新たな形で大量生産を実現。
さらに耐久性や実用性など持続可能性の高さを備えつつ、白樺本来の表情の美しさをも併せ持つことにも成功しました。
大量生産=消費の意味合いが強いですが、アアルトのプロダクトからは全くそれを感じさせません。
実使用には必要の無い部分を削ぎ落したシンプルなデザイン。
”ユニーク”ではなく”合理性”の高い有機的造形。
硬質で耐久性の高い白樺。
白樺は経年により味わいを増します。
実用性と個体が持つ表情の変化は、使い手に飽きを来させず永続的に使用できる魅力を持っております。
白樺の選定・新しい生産工程・合理的な造形は、アアルトが示した近代モダニズムのカタチと言えます。
こちらの”L297”も普通のデスクキャビネットとは違う魅力を持ちます 。
下段を引き出してみると、仕切り板が斜め方向に、そして均一に整列しています。
仕切ることで整理し易くなるのは勿論、斜めに角度をつけることで書類やファイルを一目で視認し易くなります。
そしてH65cmの高さ。
デスクであれば下に差し込み、リビングダイニングテーブルであれば連結し、ダイニングテーブルと合わせるならサイドテーブルとして。
単体でも花台や電話台として。
使い手の嗜好性によって自由に組み合わせが出来ます。
「建築は家具と補完し合うもの」
実際に使用する場面を理解していた建築家のアアルトだからこそ生み出せた逸品のご紹介でした。
自然と職人の力で新たなモダニズムを体現したアアルト。
機能美を兼ね揃えた名作の数々。
フィンランドデザインの家具は人々の生活をより良くし美しく彩ってくれます。
是非ご自宅に向かい入れてみてはいかがでしょうか。