HIDA
Flower-Stand
今日天気予報を見たところ、朝から晩までずっと気温が横ばいでした。
過ごしやすいのですが、小雨が降ったりやんだりでどうもスッキリしない空気感です。
こんな日には質感の良いアイテムをご紹介して、ブログをご覧の皆様の心持ちを和やかにしたいと思います。
拙筆ではございますが、宜しければ最後までお使い頂けますと幸いです。
梢(こずえ)の音響く、飛騨の杜から
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今回は、日本の歴史あるファニチャーブランド、飛騨産業 | HIDAのプロダクト。
ロゴマークにある鳥、キツツキを愛称として持つ親しみある企業でもあります。
その創業は1920年(大正9年)。つい近年100周年を迎え、培われた技術を活かしつつも新たな暮らしに向けての挑戦を続けています。
もとより飛騨は木工の地域。飛騨山脈を中心とする山々には豊富な森林資源があり、それを用いた人々の手仕事が積み重なって現在に至ります。奈良時代には一定数の木工職人を派遣する代わりに租税の一部を免除されるなど、古くから高い職能を育んでいた事が伺える数少ないエリア。
その飛騨が創業当時から力を入れていた技術の一つが、今回のプロダクトにも使われている「曲木」。
海外ではベントウッドと呼ばれ、ドイツのミヒャエル・トーネットらが特許を取得したこの技術は木工の可能性を大きく広げる革新的なものでした。
木は切り出した形から変える事は出来ず、あくまでそれ以上の形にするためにはパーツに削り、繋げるしかなかった19世紀当時の世界。
木を蒸し上げて熱いうちに金型で曲げる事で、冷めた時にはその形を保つ。
そうしてできた木材は繊維を断ち切らない事で一層の強度を保ち、空中に一筆書きをしたような流麗なカーブを作ります。
その技法を日本で取り入れ、洋風の現代的な暮らしを支えていた企業の一つが今回の飛騨産業なのです。
その弾力性から曲木に適している、ビーチ(ブナ)の無垢材をふんだんに使用した今回フラワースタンド。3段の棚を持ち、そのいずれもが円形にかたどられています。
すらっと伸びる3本のフレームはさながら木の幹に繋がる根のように、末端は細く中央は太くと緩急をつけたバランス。
これによって、自然の素材が持つ温もりのある印象を与えてくれます。
約1.8センチと無骨過ぎず、質感を堪能できる程よい棚板の厚み。
最上段には囲いが付き、脱落への防止を備えています。
高さは約93センチと腰上程の高さがありますが、末広がりな脚部は3本脚ながらしっかりと踏ん張りが効きます。
またひとつながりの木材は無理なくしなるため、軽量で且つ高い安定を実感できる。そんな曲木技術を無理なく活かした事が判る、飛騨産業らしい逸品です。
棚板の間は下から27・31センチ。フラワーポットを並べて自然の雰囲気を楽しむも良し。場所を取らずに使える小物のディスプレイとしても素敵な1台です。
素朴な柔らかさが滲む、上品なフラワースタンド。是非この機会にその質感を楽しんでみてはいかがでしょうか。