Habitat
Elephant Stool
名作家具にはペリカンチェアやアントチェア、スワンチェアなど様々な生き物をモチーフにして作られたものがいくつかあります。
中にはイームズエレファントのようにそのままの姿を模したアイテムもありますが、そういった愛嬌のある家具があると心が綻んで、お部屋で過ごす時間がより楽しくなるもの。
そういったプロダクトは海外に多く見られるようなイメージがありますが、意外と日本国内にも動物モチーフのプロダクトがあるんです。
象のように愛らしい

本日ご紹介するのはまるっとした形が可愛らしい“エレファントスツール”。
デザインを手掛けたのは、戦後に日本のモノづくりにおける重要局面に於いて、長大作や剣持勇、水之江忠臣や渡辺力等と共に「ジャパニーズモダン」と呼ばれ、日本のインテリアデザインの草創期を築き上げたパイオニア“柳 宗理”。
「美は人々のためにある」という考えのもと、使い勝手の良さや美しいフォルム、長年愛用できる純粋でシンプルデザインの作品を数多く生み出し、1950~60年代の戦後復興から高度経済成長期のモダンデザインを支えた、日本を代表するデザイナーです。

ユニークなフォルムが象の鼻と脚のように見えることから、別名「象脚スツール」とも呼ばれていたこちらのスツール。
柳宗理が自分のアトリエで使用するためにデザインし、工作用椅子として1954年に発表。1960年にミラノ・トリエンナーレに出展し、1970年には大阪万博のパビリオンで使用されています。
狭いアトリエ内でも使いやすいように、軽量でコンパクトにスタッキング出来るデザインになっていることから、当時はエレファントスツールという名称ではなく、「スタッキングスツール」という名称で呼ばれていたそうです。

当初は、日本の家具メーカー “コトブキ Kotobuki” が1954年からFRP製のエレファントスツールの製造・販売を行っていましたが、程無くして生産終了に。
その後、2000年~2002年の間にイギリスの家具メーカー“habitat ハビタ”にて「yanagi stool(ヤナギスツール)」という名称で一時的に復刻しました。
二度の廃番の後、デザイン誕生から50年を迎えた2004年にスイスの家具メーカー“Vitra ヴィトラ”からポリプロピレン素材で再び復刻し。
今回ご紹介したエレファントスツールは、イギリスのハビタ社で僅か2年間のみ復刻された希少な一脚です。


ゆるく湾曲した低めの座面と太めの脚部によって安定感のある座り心地に。
座繰り加工も浅く、座面の上に何か乗せても倒れる事は無さそうなので、本来の座る用途としては勿論、サイドテーブルや観葉植物・照明を置くための台としてなど様々な使い方でお楽しみいただけます。
また、比較的軽量な為、模様替えなどの移動時も楽に運ぶことができ、女性でも片手で軽々と持ち上げる事が可能。
様々なインテリアに合わせやすいブラックカラーは、ミッドセンチュリー、スペースエイジ、モダンデザインのアイテム等との相性も抜群です。

丸みを帯びた優しいフォルムや、シート部分と脚部が一体型になったオブジェのような美しい造形、機能的な構造は、そのモダンな中にもどことなく日本らしい雰囲気も感じます。
日本のインダストリアルデザイン史を語る上では欠かせない歴史的な一脚。
象のように愛らしさと安心感のあるロングライフデザインのスツール、是非お迎えしてみてはいかがでしょうか。











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