vitra.
Standard Chair
"スタンダード" 一番初めから存在するもののようですが、実はある物事を突き詰めた先にあるものがスタンダードなのだと思います。
今回はそんな"スタンダード"を冠するに相応しい名作チェアを紹介致します。
永遠のスタンダード
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a1_594b9bbf-9235-4e5f-80df-7464bd049348.jpg?v=1722833375)
こちらの椅子の原型がデザインされたのは1934年。ル・コルビュジェやピエール・ジャンヌレと時代を同じくしフランスで活躍したジャン・プルーヴェによるものです。
自身をデザイナーでもなく建築家でもなく「工人」と呼んだ彼による並々ならぬこだわりにより試行錯誤は繰り返され、1950年にその形は完成されました。
1980年代に発表されたモデルを最後に生産が終了されていましたが現在はVitraにより生産が再開され、デザインから半世紀以上経った今でも世界中のインテリアファンに愛され続けています。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a4_69eac71e-f54e-4493-8761-534d05443942.jpg?v=1722833413)
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a6_f9501e01-7d1f-40e4-91ce-f9ecf2294013.jpg?v=1722833412)
建築家らしい構造に重きを置いた合理的で洗練されたデザインとなっており、全く無駄の無い必要最低限のパーツにて構成されています。
そして一見シンプルに見えるデザインの中にも同氏の設計美学が垣間見えるのがスチールの脚部でしょう。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a12_f59b1469-750a-4943-a406-fffd68896ea2.jpg?v=1722833443)
人が椅子に座った時、椅子の脚にかかる重さは一定ではありません。前脚よりも後脚により大きな重さがかかるというチェアの本質を見抜いた同氏。 前脚がシャープなスチールパイプとなっているのと対照的に、後ろ脚には太さをもたせた中空の鋼板を用いる事で、椅子にかかる重さを床へ逃がせる構造となっています。
この前後に厚みのある後ろ脚はデザイン的にも一役買っており、真正面から見た時と真横から見た時のギャップがまたこのチェアに面白みを与えているように思います。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a16_d2f9e8bb-5b35-49b7-9371-c56ca58936e0.jpg?v=1722833467)
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a15_c83f02ce-ea4c-471a-af78-03594d474cf4.jpg?v=1722833467)
そんな脚に組み合わされたのは深い色味のウォールナット材。プライウッドの技法により座面前部はももに沿うよう大きめのカーブがつけられています。
いくつかカラーバリエーションのある本チェアですが、今回はウォールナット×ブランコロンブの組み合わせ。様々なインテリアテイストにも溶け込み易く、幅広いシーンで活躍してくれる汎用性の高いカラーリングです。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0719/1314/4634/files/a17_18916d48-d0a4-481d-8e0e-86b534cd1918.jpg?v=1722833491)
自らの作り出したものに"スタンダード"と名前を付ける。これって中々できる事ではありません。
ジャンプルーヴェの並々ならぬこのチェアへの自信が伝わって来ます。 デザインから半世紀以上経っても衰えない人気が、この"スタンダード"という名前に嘘は無い事を物語っていると言えます。