秋田木工 508EB
無垢材を自由自在に曲げる者たち。 普通の人には理解しがたい”木を曲げる”という業を熟練の職人達は、呼吸をするように淡々とこなしているそう。 そして、完成する美しい曲線の作品。木の特性を熟知した職人だからこそこの技術は、一朝一夕ではまねできない宝と言えるでしょう。曲線美
>>この商品の詳細を確認する 曲木の技術を発明したのは、「モダンスタイルの原点」を作り出した、ミヒャエル・トーネット。トーネットが発明した曲木工法は、木が持つ可塑性(圧力を受けて変型したものが、そのまま元に戻らない性質)を利用したものです。
天然の無垢材を煮沸し、鉄の金型に沿って曲げ成型。この技術により、これまでの椅子とは一線を画す美しい曲線を描く椅子が生まれました。
この技術を専門に曲木家具を作り続ける日本唯一の専門工房が、100年の歴史を持つ秋田木工。 職人技で完成される名品は時代を超えてもその素晴らしさを伝え続けています。 曲木の家具をつくり出すために欠かせない”治具”と呼ばれる鉄型の道具が使われるそう。 仕上がりを左右するこの治具は機械ではつくれないため、全て職人の手作業で行われます。 実寸大の図面から木製の箱型をつくり、製品の曲線を描くところから始まる治具づくり。ボールペンで書かれたわずか0.5mmの線を頼りに、専用の機械で少しずつ鉄を叩き、つくり上げていきます。 この治具造りは、着座の際に馴染むよう滑らかな仕上がりにする必要があるため、繊細な技術が必要となり誰もがまね出来ることではないのです。 可塑性を利用した曲木加工。100℃近くなる蒸気で長時間蒸し、水分を含ませた木材を鉄型に合わせてじっくりと曲げていくそう。 この作業は、乾燥して硬くなる前に仕上げなければならないため、作業にかけられる時間はわずか5分。 この短い時間で丁寧に曲線を描く必要があるため、職人達は、木と対話するように心を通わせて進めていきます。 こうして生まれる秋田木工の作品。見た目としての美しさは言わずもがな。加えて実現された機能美が秋田木工が持つ素晴らしさと言えます。 こちら造形美が光る『エディションブルー ラウンジチェア 508EB』。背もたれの背中を支える面積が少ないものの、風合い優しいブナ材が滑らかに削られている為、身体を預けても確り寛ぐ事が出来ます。 加えてアーム部分。肘を掛ける部分は腕に沿うような形状にされており、手が届く部分はカーブし丁度つかむことができます。 身体を包み込むような安楽性を高めているとともに、立ち上がりやすいように工夫も施されているのです。 凄いのがこれを一本の木材のみで実現していること。無駄を排した結果生まれたこの美しさは、正に機能美と言えます。 ラウンジチェアとしての機能を高めているのが、約4cmの肉厚クッション。ラウンジチェア 508EB専用なので座面に確りフィットし、座り心地としても優しく身体を支えてくれます。 ファブリックは、スウェーデンのグスタフスベリ社で活躍したStig Lindberg(スティグ・リンドベリ)のテキスタイルデザイン「フルクトラーダ | FRUKTLADA」を採用。 同氏特有の個性的な果物柄が映え、より清涼感ある佇まいをお楽しみ頂けることでしょう。 日本の伝統と北欧デザインが化学反応を起こし、日々の生活に美しさと温かみを与えてくれるはずです。 手間を惜しむ現代社会。効率化、合理化されてゆき、未来は人の温もりの感じられない味気ない世界へと歩みだしているような気がします。 そんな時代だからこそ、手間を惜しまない手作業の美しさが映え、時代に逆行し価値を高めていく。 古くから引き継がれた伝統的な業は、私たちが作品の価値を正しく認識し迎え入れることで、次世代に伝わっていくのだと思います。