ガラスの魅力に酔いしれて
プリミティブとは「原始的、根源的」という意味の言葉。
アフリカやアジアの少数民族がハンドメイドした、木彫りの工芸品をイメージされる方がほとんどでしょう。
ところが、そんなプリミティブの言葉が似合う、"ガラス"を使ったアイテムを見つけました。
あまりピンときていない方も、見ていくうちにその魅力に引き込まれるはず。
ガラスならではの表情を愉しめる、個性的な作品たちをご紹介いたします。
Bertil Vallien
まずは、スウェーデンを代表するガラスアーティスト、Bertil Vallien(バーティル・ヴァリーン)。
エリック・ホグランと並び、コスタボダのトップデザイナーとして活躍。数々の賞を受賞しており、世界中の博物館にも作品が展示されるほど高く評価されています。
独創的なフォルムや色使いを得意とし、様々な切り口から表現された豊かなガラス彫刻は、どこか現実離れした神秘的な雰囲気を放ちます。
コスタボダ Kosta Boda ドミノ DOMINO シリーズ 青い顔 ガラスディッシュ
1994年に発表されたドミノシリーズ。この度、大小異なるサイズが初めて入荷いたしました。
3センチにもなる重厚のガラスディッシュに埋め込まれた青い顔のシンボル。周りには、象形文字のようなモチーフと赤い人物のシルエットが浮かぶように陰刻されています。
透明なクリアガラスとザラザラとしたマットなガラス。2つの異なる質感が重なることで美しい輝きを生んでいます。
カットサイン入り「Kosta Boda B Vallien 79365」
コスタボダ Kosta Boda ドミノ DOMINO シリーズ シルバーマン ガラスディッシュ
こちらは、一つ目よりもサイズの小さい個体。
2センチにもなる重厚のガラスディッシュに埋め込まれているのは、手足を広げた人型のシンボル。こちらも、周りに象形文字のようなモチーフが陰刻されています。
シルバー加工による不思議な虹色の輝き。どの角度から見ても美しいガラスの表情を愉しむことが出来ます。
ドミノは、国内での流通量が少なく、なかなか珍しいシリーズのようです。
カットサイン入り「Kosta Boda B Vallien 70015」
コスタボダ Kosta Boda パズル Puzzle シリーズ キューブ オブジェ
1970年から1980年代まで製造されたパズルシリーズ。
数多くの名作を生み出したヴァリーン氏の中で最も知られているシリーズのひとつです。
立方体を半分に切断した、シンプルなフォルム。上下で接合する部分がまさにパズルを連想させる形状にカットされています。
中は丸くくり抜かれ、重ねた時とバラバラにした時で見え方が変わる、作り手の遊び心が垣間見える自由な作品となっています。
元箱の写真から、アッシュトレイとして使うもののようですが、バラバラでキャンドルホルダーとして使うのもお勧め。
用途を持たずとも、オブジェとして飾るだけで様になりそうです。
Monica Backstrom
最後に、バーティル・ヴァリーンと同じく、40年以上もの間コスタボダのデザイナーを務めているスウェーデンのガラスアーティスト、Monica Backstrom(モニカ・バックストロム)。
オイバ・トイッカの影響を感じる、エッグやマッシュルームなどのユニークなオブジェで知られ、スウェーデンの国立美術館にも展示されています。
コスタボダ Kosta Boda フローズン・イメージ ウッドフレーム ガラスパネル オブジェ
2002年に発表されたフローズン・イメージシリーズ。
円形の赤色が印象的な砕いたガラスが裏面に張り付けられており、前面は美しく見えるように計算された厚みのあるホットキャストで型どられたガラスとなっています。
そのガラス板は、黒い木枠にはめ込まれています。
木製でありながら引き締まった無機質な印象を与え、ガラスとのコントラストが美しい逸品です。
これは、ミニマルなモダン空間に置きたいですね。
カットサイン入り「M Backström Kosta Boda」
最後に
バーティル・ヴァリーン
「これほど不安定で予測できない素材は他にない。だからこそ私は魅了されているんだ。」
日々ガラスと向き合っている作者自身も、その魅力にどっぷりはまっていることがこの言葉から分かりますね。
同じものが2つとして存在しない、オンリーワンのガラスオブジェたち。
窓辺の太陽光が差し込む場所に飾って、"ガラス"に浸ってみてはいかがでしょうか。