年月が馴染ませる、文化の境目
良く、年を取ると人も物も丸くなる。なんて言葉を聞きます。 山間にある川の上流にこぼれた石が、水の流れに押し出され石や土、水にぶつかりその角が取れてゆくように、人や物も丸く当たりが柔らかくなってゆくのだと思います。 それは時に思わぬ効果を生むことも。 今回は、家具の一例をご紹介。宜しければ最後までお付き合い下さい。Pick up Items
今回は木味が存分に楽しめる、ビンテージアイテムのご紹介。
ヨーロッパと聞けばイメージするところから、ちょっと東へ移動したようなエレガントなもの、そしてわれらが日本のアイテムもございます。
それぞれの良さをクローズアップしながらご説明と参りましょう。
こちらはビンテージアイテムの代表といっても過言ではない、曲木の椅子。ベントウッドチェアなどと呼ばれます。
それまで木は切るか削るかが加工の大半だった19世紀中ごろに、蒸した木を熱いうちに「曲げれ」ば冷めた後もその形を保っているという性質を、ドイツ人トーネットが巧みに使い家具に応用します。
切って組み立てれば強度のために固い木(固い木は重いものが多い)や沢山の仕組みが必要であった木の家具は、一本の棒材から自在に形を変える事で軽くなり、組み立ても簡単になりました。
パーツのままで遠くへ運べるので価格も安く、貴族から一般家庭、カフェまで至るところで見られるほどの人気ぶり。
インタルシアと呼ばれるシンプルになりがちな印象を華やかにしてくれる座面のエンボス加工もアイテムごとに様々楽しめます。
今回は製造メーカーこそ不明なものの、使い継がれてきた軽くて丈夫な1脚。手軽に取り入れられる人気のビンテージです。
次はベルギーのビンテージアイテム。
フランスなどの品の良いアイテムをセレクトするH.P.Decoで取り扱われたコンソールテーブル。
約 幅80 × 奥行き 40センチのコンパクトなサイズに、クラシカルなろくろ削りの脚部、そして可愛らしい星形の取っ手とそのバランス感覚は絶妙。
上品にしたいけど、あまりゴテゴテさせたくないという方にもお勧めできる1台です。
高さも73.5センチとダイニング程度なので、お一人暮らしに取り入れても素敵かもしれません。
そしてわれらが日本のビンテージ。ラウンドタイプのカフェテーブルです。
プライウッドの天板に、折り目正しいテーパードレッグが四方に伸びています。
日本のビンテージアイテムであれば、安心した見た目を求めて節々がゴツいものも多いのですが、このテーブルはとてもスタイリッシュです。
直径60センチと、カフェテーブル以外にも花台としても邪魔にならないコンパクトサイズな一台。
天板には補修がありますが、使い込まれている味わいのためかそれほど嫌な感じは受けません。
どんな使われ方をして今のようになったのか、想像を膨らませてくれる面白いアイテムです。
そして最後は同じくジャパンビンテージのチェア。
いわゆるウィンザーチェアというイギリスを源流とするタイプなのですが、コロンとしたフォルムがどこか愛嬌を感じさせます。
見通しが良い背もたれに、厚めの無垢材を継ぎ合わせた座面の組み合わせ。脚先に向けて丸々と太さを見せるディティールなど見れば見るほど楽しくなります。
秋田木工のハンナチェアに似ているのですが、細かなところが異なるため特定には至らず。それでも楽しく使える事には間違いない1脚です。
いかがでしたでしょうか。
近代的になれば仕上がりから素材、色味も豊富になるため合わせる事に神経を使いますが、木の家具であればそれほど大きく外れるものではありません。
施された塗装も、少しずつ乾燥して剥がれてゆく。その痕は等しく時間をかけて取れた「カド」と同じ。丸くなった家具たちはきっと今ある家具と仲良くやってくれるかと思います。
豊富な選択肢から、一つずつ選んで組み合わせる。そうして出来上がったお部屋が、それぞれの個性として表れるのではないでしょうか。
アイテムが過ごした時間を楽しめる方に、是非一度取り入れて頂きたい家具たちのご紹介でした。
Vintage Bentwood Chair
European Vintage Console Table
Japan Vintage Cafe Tabel
Japan Vintage Windsor Chair











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